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最近の夏の異常な暑さでSDカード不良
最近では、これまでの夏の最高気温を毎年のように各地で軒並み更新し、ニュースでは連日トップで報じたりしています。
そのせいでしょうか、ドライブレコーダー(ドラレコ)の録画失敗が相次いでいることが話題になっているそうです。
実は私のドラレコも先日、SDカードの不良で録画エラーになっていました。
なぜ、そのようなことが起きるのか、ITサポートエンジニアが実際の事例を基に検証してみたいと思います。
SDカードとドライブレコーダーの接触不良

車載のドライブレコーダーは一般の機器と違い、車内という過酷な環境で使用されることになります。
その影響で起きるトラブルの一つが「接触不良」の発生です。
道路走行中の車は、排気ガスや環境に漂う様々な化学的成分、微細な塵などにさらされやすく、それらは車内にも容赦なく入ってきます。
そのため、建物の屋内よりも使用している機械類の劣化が進みやすくなります。
SDカードやドラレコのスロット接点は、表面に金メッキが施されています。金は劣化しにくい金属なので、IT製品の接点に広く使用されています。しかし、この金メッキも万全というわけではなく、意外と容易に接触不良を起こします。
金メッキの金の含有度や、混在している金属成分なども影響するためです。安価な製品はこうした部分のコストを最も削ってくるため、その影響が顕著に品質に現れます。
要するに、低品質な製品ほど過酷な車内環境で容易に酸化被膜(サビのようなもの)ができやすく、接触不良も起きやすくなるわけです。
なかなか認識しないSDカードの端子を、接点復活剤などで掃除したらすぐに認識したりするのはその確かな証拠です。
ドラレコ本体側のSDカードスロットの問題

格安のドライブレコーダーで多いのが、SDカードスロット自体の精度の問題です。
品質が低いものはスロット部分の工作精度が甘く、装填したSDカードの端子と本体側端子の間に、十分な接触テンション(押し付ける力)がかからないものがあります。
これは格安のスマートフォンやタブレットにも「あるある」の現象ですね。
また、新品の時には問題なくても、車内の温度変化が大きすぎて「膨張と収縮」を繰り返す間にスロット部分に歪みが生じ、接触不良を招いている場合もあります。
私のドライブレコーダーがまさにこれでした。
SDカードの端子を掃除してもなかなか認識しなかったり、エラー表示になったりする場合は、スロット側に問題があるのかもしれません。
データ救出時の応急処置(裏技)
SDカードの端子とは反対の面(レーベル面)に養生用のテープなどを貼って少し厚みを持たせ、スロットに装填すると、テープの厚み分だけ接点にテンションがかかって確実に認識することがあります。
※注意: 夏場の車内は80度C近くに達することもあります。テープの糊が溶けてスロット内部を汚染したり、剥がれて取り出せなくなったりするリスクがあるため、これはあくまで「一時的なデータ救出用」の自己責任の裏技とし、基本的には本体の買い替えを検討してください。
SDカードのトラブル対策

SDカード自体の品質もトラブルに関係します。
ですが、近年の極端な猛暑では、カードの品質が多少良くても熱による影響は避けられない場合があります。
SDカードはそもそも、高温によって動作が不安定となりやすい保存の仕組み(フラッシュメモリ)と材質でできています。
耐久性や寿命に関しては、記録媒体の中でも非常に脆弱な部類に入ります。
ですから、「耐久性を期待して高額なSDカードを購入する」というアプローチだけでは、根本的な解決にならない場合があります。
実際に高価なSDカードでも、過酷な車内環境であっという間に壊れたという事例はたくさんあります。
トラブルを防ぐために、まずは優先して行うべき「温度対策」が以下の3つです。
1.駐車中の車内の温度を下げる工夫をする
(窓をサイドバイザーで隠れる半分程度、少し開けておく。※ただし、防犯やゲリラ豪雨などの天候急変には十分注意し、サンシェード等も併用してください)
2.ドライブレコーダーに直射日光が当たらないようにする
(フロントガラス用のサンシェード等でドラレコごと覆うなど、陰を作る)
3.冷房の冷気を直接当てすぎないようにする
(設置場所やエアコンの風向きを意識する)
SDカードを故障させないためには、とにかく「できるだけ温度を上げないこと」と、「極端な温度変化を与えないこと」です。
冷却のつもりでドラレコに向かってエアコンの風をガンガンに当ててキンキンに冷やしてしまうと、エンジンを切った後にドラレコ内部が結露してしまいます。
結露によって回路に異常が生じれば、誤作動で保存データに悪影響を及ぼします。
また、急激な温度変化で部品が大きく膨張・収縮を繰り返し、レコーダーやSDカードそのものが物理的に壊れる原因にもなります。
それから、カー用品で「急冷スプレー」というものがありますが、絶対に直接噴射しないようにしてください。
ドライブレコーダーの簡易整備でトラブルを防止する方法
ドライブレコーダーも精密機械ですから、当然メンテナンスが必要です。接触不良を改善し、録画を安定させるために、日頃から以下の手入れを行いましょう。
1. SDカードスロットの清掃・整備

スロット内はほこりや塵などで汚れている場合があります。
まず、スプレー式のエアダスターなどでスロット内をエアパージ(吹き飛ばし清掃)します。
使用していない予備のマイクロSDカードなどの接点に、「接点復活剤(改質剤)」を薄く塗り、スロットへ数回出し入れして接点を馴染ませます。
スロットの排出動作(プッシュして飛び出す動き)がスムーズでないと感じたら、カード側にごく薄く接点潤滑剤を塗ってから抜き差しを行ってください。
※注意: スロット内部へ直接シリコーンスプレーなどを噴射すると、接点が絶縁状態になって認識しなくなったり、基盤がショートしたりする致命的な故障原因になるため、絶対に避けてください。
2. SDカード自体のメンテナンス
スロット部分の整備が終わったら、次に以下の手順でSDカード自体をリフレッシュします。
1.パソコンにカードリーダーを接続し、SDカードを認識させます。
2.必要な録画データが入っている場合は、あらかじめPC内にバックアップ(退避)しておきます。
3.PCで、SD規格の団体である「SDアソシエーション」が提供している公式ソフトウェアを使い、全域を「上書きフォーマット(ローレベルフォーマット)」します。これにより、エラーセクタのチェックと修復が同時に行われます。
SDメモリカードフォーマッター 公式ダウンロードページ
https://www.sdcard.org/jp/downloads/formatter_4/index.html
4.PCでのフォーマット完了後、カードをドラレコ本体に挿入して電源を入れ、ドラレコ側のメニューから再度初期化(フォーマット)を行います。
まとめ:ドラレコ用SDカードは完全に「消耗品」と割り切る

前述したように、USBメモリやSDカードなどのいわゆるフラッシュメモリは、耐久性や寿命に関しては保存メディアとして最大のウィークポイントを持っています。
日常的な使用はもちろんのこと、特に過酷な高温下で使用するドラレコのSDカードは、「完全に消耗品」として認識しておくことが大切です。
定期的な交換の目安としては約1年です。環境次第では、それ以前に寿命を迎えることも珍しくありません。
「いざという時に録画できていなかった」では、何のためにドラレコを搭載しているのか分からなくなってしまいます。
車を発進させる前に、ドラレコが正常に起動して録画が始まっているか、エラーランプが点滅していないかなどチェックする習慣をぜひ身につけてください。
九州インターワークス
「パソコンとほこり」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/hokori.htm



