充電式バッテリーを内蔵したデバイスや機器の正しい使い方と寿命を延ばす5つの方法
目次
●スマホ、タブレットのユーザーを悩ませるよくある問題として充電コネクタのトラブルがあります。充電ができないとかPCと接続ができない、接触が悪く接続が切れるなどの症状で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
●そのようなトラブルの多くがコネクタ部分に発生している異常によるもの。スマホはハイテクなIT機器ですが、電気が通らなくては動きません。接触不良などのトラブルの原因としてこれまでのサポート事例で傾向が多いものを今回は解説してみたいと思います。
ほこりや異物による接触不良
●スマホやタブレットを使用していると、端子部分に「ほこり」や微粒子、異物、または汗や皮脂といったものなどが付着して接触不良を起こすことがあります。さらに、そのような状態を放置したまま使っていると、端子の接点に傷が付く、削れる、腐食するなどして症状が慢性化することがあります。
●特にスマホをむき出しのままポケットやバッグに入れていると、ゴミなどが端子の隙間に入り込みやすくなります。
コネクタの抜き差し摩耗による接触不良
●ほこりなどに気を付けて使用していても、摩耗による問題も起きます。仮に一日1回充電コネクタを抜き差ししたとすると1年では365回、3年で千回を超えます。一日3回抜き差しして使用すると1年でも千回を超え、数年でなんと何千回にもなる計算になるわけです。それだけの回数になると、清掃や手入れをしていてもさすがに金属の端子も擦り減ってしまいます。
●コネクタやプラグの品質にもよりますが、ケーブルを抜き差しする回数によっては数年程度の使用でも端子部分が摩耗し機能を失うことがあるわけです。
コネクタやプラグの雑な取扱いによるトラブル
●スマホ、タブレットの充電コネクタは、差し込み口が小さい上に強度がそんなにありません。そこへ、丁寧とは言えない雑な挿し方で毎日抜き差ししていると、だんだん差込口が緩くなったり、最悪の場合、コネクタ端子のメイン基板へのマウント部分やその根元の細い配線にクラックが入ったりして基板から剥離してしまうことがあります。
●完全に剥離すると断線したことと同じですから接続できなくなります。ところが、充電などがONとOFFを繰り返す場合は、亀裂部分で配線がくっついたり離れたりするため断続が発生します。しかし、そのようになった場合は断線したも同然な上に、断続が発生すると機器にも余計な負荷がかかります。そうこうしているうちにトラブルに発展することがあります。動作がおかしくなったコネクタをだましだまし使い続けたり無理に使うことは避けて速やかに修理へ出しましょう。
※コネクタは基板にはんだで直付けとなっている根元の配線(黄色い丸内)にクラック(亀裂)などが入ると断線して充電できなくなる
●特に扱いが雑で無理やりコネクタをねじ込むように挿す癖が付いていると、コネクタの破損は早くなります。また、面倒くさいということで、よく見ずに手さぐりでコネクタを差込口に無理に挿そうとする方がいます。ただでさえ弱い作りの部分に手探りで何度も接続にリトライすれば、コネクタや端子に何度となく不必要な応力がかかりますので早期に破損を招いてしまいます。
●また、充電器のケーブルは強靭ではありません。ケーブルをつかんで無理に引っ張ったりすると内部で断線が起きることがあります。外す際は配線ではなくコネクタ部分をきちんと握って上下左右にこねずにまっすぐ外す必要があります。配線やコネクタ内部の断線は外見では特に問題がないように見えますのでわかりにくいトラブルですが、事例としては多い方です。
●このようなトラブルに見舞われたとしても充電器側のプラグやコネクタ、ケーブルの破損や消耗ならそのケーブルや充電器そのものを買い替えれば即解決します。しかし、スマホの本体側コネクタに断線トラブルが起きた場合はどうなってしまうのでしょうか。
本体側コネクタのトラブルを防止するには
●スマホ・タブレット本体のコネクタ部分が破損、消耗した場合そのトラブルの深刻さを理解している人はわずかです。よくある勘違いですが、多くの方が本体側の壊れたコネクタ部分だけの修理ならそんなに大した故障ではなく、安く簡単にできるはずだからすぐに元通りになると思っていることです。
●ほとんどのスマホやタブレットは充電コネクタなどのインターフェースが内部のメイン基板に直付けされています。要するにメイン基板と一体化しているわけです。一体化しているのでコネクタだけ取り外して交換できない構造になっています。つまりメイン基板丸ごと交換ということになります。ということは、事実上そのスマホ・タブレットは全損状態になるということなのです。自動車に例えるならエンジン乗せ換えが必要というようなものです。
※基板に直付けの本体側コネクタ端子
●それに基板交換といってもそのようなトラブルはすぐには解決できません。購入ショップで預かり修理だけで済めばいいですが部品がないなどで修理不可、機体交換、または機種交換になってしまう可能性が非常に高いと思います。その際、ほとんどが有償対応となります。そういう時のためにも契約時には修理代や機器購入費を押さえるための故障修理保険のようなオプションサービスを申し込んでおきましょう。
●SIMフリースマホの場合、メーカーがよほど対応の良いところなら修理対応するかもしれませんが、日数がかかったり費用も高額です。その場合は金額や手間から言っても買換えが得策でしょう。
●ネット上にはそういったコネクタの部分的なトラブルに対応する修理業者もいます。しかし、コネクタ破損の部分的な修理でとりあえず復旧できても、そのような修理方法では元々のコネクタ接続部分本来の強度を復元できません。ですから、同じような使い方をするともっと短い期間で症状が再発してしまう可能性もあります。ですから、部分修理については慎重に検討しましょう。
●コネクタトラブルを起こさないためには、具体的なトラブル回避策として以下の対策が有効です。
コネクタ類は慎重に抜き挿しする
●面倒ですが、コネクタの抜き挿しの際は差込口をよく確認し、毎回目視できちんと方向や位置などを確認して差し込むことです。面倒だからと手さぐりや勘で何度もトライするような差し込み方はコネクタを壊す原因です。また、上下左右にこねて挿したり抜いたりせずに、まっすぐに抜き差しを行いましょう。
コネクタ、端子をこまめに清掃する
●端子などの金属部分は接点復活剤やクリーナなどでこまめに清掃します。コネクタやプラグの金属部分には接点オイルなどを塗布すると、摩擦が減るので抜き差しの際に無理な力が加わらなくなって端子の損傷や摩耗を軽減できます。内部の端子には市販の接点回復剤などをごく少量塗布します。
※ブロワ。狭い個所のほこり除去に便利。
※水彩画用の小筆は掃除や塗布に便利
※電気接点のクリーナーは、ホームセンターで入手可能なものがある。
※コネクタの金属部分は錆や異物の付着で抜き差しの際に抵抗になり、余計な力がコネクタのマウント部分や配線に加わる。清掃することでスムーズな抜き差しが可能になり、コネクタの破損防止になる。
クレードルなどを使用する
●スマホ、タブレットに充電ホルダやクレードルがオプションで用意されている、または社外品で購入可能な場合は極力使用しましょう。専用の充電台はガイドに沿ってスムーズにコネクタ接続が可能になります。手差しより差込口への負担が小さくなります。本体のコネクタを傷めて大変なことになるよりもそのくらいの投資は安いものです。年数を重ねて使用した場合、前述したように手差しによるコネクタへのダメージは思った以上に大きいものです。
●以上、快適なスマホ・タブレット生活の一助となれば幸いです。
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