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突然の停電!そのときパソコンはどうなってしまうのか、想定される事態とその対策

2016年10月14日 公開 / 2022年8月25日更新

テーマ:機器と端末の管理と保守

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: パソコン修理パソコントラブルパソコン修理 業者

現代でも様々な原因で起きる停電

●最近は首都圏で施設や設備上の問題によって時々起きる停電をよく耳にします。しかしやはり最も多いのは自然災害による停電です。落雷をはじめ地震、大型台風の上陸、豪雨や豪雪被害、火山の噴煙などによって地域や季節に関係なく各所で停電は起きています。

●自然災害による停電は、広域で大規模なものになりますが、家庭や事業所などの契約アンペア数不足や使いすぎなどで起きるリミッタ・ブレーカー遮断という局所的な停電もあります。このように停電というものは後進国だけの現象ではなく、現代の先進国でも珍しくないものと考えておいて良いでしょう。

●電気に頼る先進国、文明社会では不意の停電による生活や産業への影響は大きくなります。現代ではインフラ化しているIT機器、特にパソコンなどの端末やネットワーク機器類は物流や医療などの維持に欠かせないだけにその影響は深刻です。

デスクトップパソコンのウィークポイント

●バックアップ電源が無いデスクトップPCやファイルサーバー、ネットワーク機器などは突然の停電が原因で復旧後に動作にさまざまな影響が出ることがあります。

●デスクトップPCの需要は年々減少の一途を辿っていますが、映像処理や高速演算など強力なパフォーマンスなどが必要な用途では、まだまだ必要不可欠な存在です。

●ノートパソコンならば、停電しても本体にバッテリーを備えていますので自動的にバッテリー駆動へ切り替わるため大きな影響はありません。しかし、UPS(無停電電源装置)がないデスクトップパソコンの場合はいきなり電源が落ちてブラックアウトしてしまいます。バッテリーが寿命で機能していないノートパソコンも同様に電源が落ちてしまいますのでデスクトップと同様の影響を受けます。

●電源のブラックアウトで起きるパソコンへの影響としては編集中のデータが消えるのは当然ですが、インストール中の更新ソフトウェアなどが不完全に終わって、OSやPC自体の起動に問題が出る、稼働中の電源遮断でHDDに異常が発生してしまうなどの影響が想定されます。

●このような問題を回避するには、停電時に端末PCを終了させるための時間を稼ぐバックアップ電源装置、「UPS」(無停電電源装置)の導入が必要です。

●このUPSは複数台のパソコンに対応可能な大型のものから、デスクトップPCのベイに納まるような小型のものまであります。価格も手ごろですから、データや環境保全を最優先するPCでは必需品と言っても良いでしょう。


※UPSは複数台対応の据え置き型の大型のものから稼動時間が数分程度のPCスロット内蔵型もある。

停電の影響を受けた場合の対処法

●停電から電気が復旧し、再び電源を投入した際にブラックアウトしてしまったパソコンには様々な影響が表れることがあります。起動しないとか、エラー表示が出るなど深刻な状態になっていることもあります。

●UPSがないデスクトップPC、バッテリーが機能していないノートパソコンが停電後に受ける具体的な影響として、主に以下のことが考えられます。

  1. BIOSのCMOS用内蔵電池が消耗していたため設定がリセットされ、OSが起動しない。
  2. PCは起動するが、正常終了とならなかったためにOSの起動に失敗する
  3. HDDに影響が出て深刻なトラブルになってしまう

●1の場合は再度BIOS設定で時刻や内容を再設定すれば問題なく起動します。停電で設定時刻がリセットされている場合は、内蔵のCMOSバックアップ電池が消耗していますのでこれを機に交換が必要でしょう。また、BIOS上でHDDのデフォルト設定がIDEになっているような古いPCの場合は手動でAHCIに設定し直さなければOSは起動できません。

●そのほか良くある事例で、停電時の瞬間断続の際にサージ(高圧の突入電流)が発生してPCに流れ込み、メイン基板が故障してしまう事もあります。電源スイッチを入れても、うんともすんとも言わなくなるなど全く反応が無くなった場合はその疑いもありますので、専門家へ相談しましょう。

●2の場合はOSのエラー表示や回復メニュー表示が出ると思います。表示する指示の通りに復旧措置を行う、または回復オプションを起動させて手動で修復をすることによって解決すると思います。回復しない場合は以前からHDDに不良クラスタなどが発生するなど問題を抱えていて、トラブルを機にその影響が出てしまい起動できなくなることもあります。その場合はあまり無理をせず、直ちに専門家に相談するなどしてデータ復旧に移行したほうがいいでしょう。

●3の場合ですが、HDD記録面やヘッドなどに深刻なダメージが出た場合、通常の回復措置では復旧しないことがあります。また、このような場合も無理な回復措置はせず、2の場合と同様直ちにデータ復旧に移行したほうがいいでしょう。

●編集中のデータについては、Office文書の場合、日頃からバックアップ設定を行っておくことで、停電直前までの作業状態を復元できます。設定はOfficeの"オプション"設定で"自動回復用データ保存"の時間設定をしておきます。あとはバックアップフォルダから復元するだけです。

●日頃からデータのバックアップやバックアップ設定をしておくことで停電時のリスク回避にも役立ちますので、是非心がけるようにしておきましょう。

九州インターワークス
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm

この記事を書いたプロ

古賀竜一

コンピューターサポートのプロ

古賀竜一(九州インターワークス)

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