充電式バッテリーを内蔵したデバイスや機器の正しい使い方と寿命を延ばす5つの方法
ディスクを読まなくても故障ではない場合も多い
●最近はCDやDVDなどの光学ディスクドライブ(ODD= Optical Disk Drive)も低価格化が著しく、品質も消耗品レベルになってきています。
●そのせいもあってなのか、パソコンに搭載されている光学ディスクドライブの読み取りに関する故障や不具合の相談は、サポート案件の中でも多い傾向にあります。
●主なトラブル内容としては、ディスクを入れたけれども読まない、認識しないという症状です。原因としてまず考えられるのがディスクの状態です。CDやDVDのRやRWに書き込んだデータやCD,DVDのROMディスクの場合、ディスク自体の劣化や損傷が原因になっている場合があります。
●その場合は、他のパソコンなどで読ませてみます。他のパソコンでも読み出せないとなればディスクに問題があることがはっきりします。ドライブの故障などではなく、単にディスクの状態が悪くて読み出せなくなっていますので、今回の光学ディスクドライブのトラブルというテーマとは別の問題になります。
●では、他のパソコンでは読むのに自分のパソコンで読まなくなっているのはなぜか?その場合考えられる原因には主に以下のようなものがあります。
○光学ディスクドライブのピックアップレンズ(読取装置)にほこりや汚れが付いている
○ソフトウェアやOSに絡んだトラブルや不具合(怪しいフリーのライティング関連ソフト導入で設定内容がおかしくなっている)
○ドライブ自体のディスクの対応や仕様、読ませようとしているディスクの種類で起きる互換性や対応の問題
●PCに搭載されている光学ドライブには、読み取れるディスクの仕様や種類への対応があり、そもそも対応以外のディスクは読み取れません。
●たとえば、ブルーレイに対応していない装置にブルーレイディスクを入れても当然読み込めません。また、DVD-ROMには対応していてもDVD-RWディスクや2層で書き込んだDVD-Rなどが読めない装置もあります。
●まず、パソコンの仕様書や搭載されている光学ドライブのメーカー、型式を調べてどのようなディスクに対応しているのかを確かめる必要があります。調べ方は、コントロールパネルの中の「デバイスマネージャー」を開いて光学ディスクドライブをクリックすると型式が出てきます。
●その型式を検索で調べると、対応しているディスクの種類がわかります。その対応範囲にないディクスは読むことはできません。
●それから、対応していてもパソコンに再生ソフトウェア自体がない、削除されている、ソフトウェアが古く更新をされていない・・などソフトウェアに問題がある場合もあります。特にWindows10や11をクリーンインストールした場合は再生ソフトが別途必要になります。
●メーカー製パソコンならディスク再生ソフトがインストールされていることがありますが、古くなったパソコンの再生ソフトは更新されていないことがほとんどです。
●WinDVDやCyberLinkのPowerDVDなどディスク再生ソフトは定期的にパッチを当てる必要があります。映画などのブルーレイディスク再生にはコピーガード解除用のAACSキーが必要ですが、定期的な更新が必要です。また、再生ソフト自体も不具合の修正が度々行われますのでダウンロードして更新する必要があります。
●以上のように読まないことが機械的な故障というわけではない場合も多いのです。そのほかにハードウェア的な原因としては"レーザーピックアップ"の消耗があります。
※ノートパソコンの光学ドライブ
※赤丸部分がレーザーピックアップ部
光学ドライブは半導体レーザーでデータを読書きする
●光学ドライブのピックアップという部分はディスクにレーザー光を照射するための照射装置のことです。光学ディスクにレーザー光線を当てて反射させ、ディスク盤に記録された凸凹を読み取ることでデータを取り出す仕組みになっています。
●そのレーザー光線は半導体レーザーというもので発生させますが、性質上徐々に消耗して、寿命が来るとレーザー光線を十分に出せなくなります。特にディスクの再生や記録を頻繁に行うパソコンでは早々に消耗するため、2~3年程度でも交換の必要が出て来ることがあります。
●しかし、最近ではちょっと困った相談も多くなっています。それは、パソコンを買ってからほとんど光学ディスクを使用したことがなく、ディスクの読み書きの習慣も無い装置が読み込み不能になることです。
●これには、2通りの状況が考えられます。
1.装置自体に元からあるバグなどで起きているもの
●光学ディスクドライブはファームウェアという機器内部の制御プログラムによって作動します。このプログラムにバグや不具合が出荷のあとで見つかる場合があります。その場合はメーカーなどから修正のプログラムがWeb上で提供されます。
●それを適用して最新のものにすることで、読み書きの精度が上がったり読みこまないなどの不具合が改善されることがあります。ですから、メーカーの更新情報を常にチェックをしたり更新ツールを使用するなどしてドライブや再生に関係するソフト類の更新を行ってみましょう。
2.寿命によるもの
●ほとんど光学ドライブを使ったことがないのに寿命といわれると納得がいかないかもしれません。サポート事例でも、6~7年使ったパソコンの光学ディスクドライブがファーム更新でも読まなくなり、診断結果として「寿命」と言うことになるのですが、使っていないのに寿命判断はおかしいと何度も言われたことがあります。
●そういわれるのも無理はありませんが、実は、光学ドライブは直接ディスクを読ませることがなくても装置の通電・起動時にレーザー光を発生させているのです。
●光学ドライブは、パソコンの起動時にトレイにディスクが存在しているかどうか確認するため、レーザーピックアップを動作させてレーザー光線を発生させています。
●パソコンを頻繁に起動、再起動している場合、年間ではのべ数千回以上も起動することになります。それを何年も繰り返すのですからレーザーピックアップの、のべ起動回数、稼動時間も相当なものになります。また、経年劣化も関係するでしょう。ですからディスク装置自体を使っていなくてもピックアップは消耗していくのです。
●ということで、動作が怪しい光学ディスクドライブは交換修理の必要があります。メーカー修理は非常に高額です。パソコン修理の専門屋さんならメーカーの半値程度で対応してくれるところもあると思いますので相談してみましょう。
●また、修理するよりも、今では家電量販店で非常に安価で外付USBのディスクドライブが入手が可能ですからそれで済ませる手もあります。
※外付USB光学ドライブ。安価で家電量販店で入手可能
光学ドライブの消耗をできるだけ少なくするには
●光学ドライブは使用すればするほど消耗しますが、使い方次第でできるだけ故障や無駄な消耗を回避する方法があります。
その1「ライティングや読み込みは連続して行わない」
●ディスクのコピーなどを何枚も立て続けに行うとレーザーピックアップが高温になり、寿命を縮めたり故障の原因になります。読み書きの際は、次のディスクを入れる間隔をなるべくあけてピックアップをクールダウンさせ、高温にさらされる時間を短くするように心がけましょう。
その2「品質の悪いディスクを使用しない」
○ディスク表面が汚れている、傷が多い
○ディスクがうねっているなど変形していて回転時の振動と音が大きい
○シールが貼ってあり回転バランスが崩れていて回転時の振動と音が大きい
○書き込み品質の悪い格安ライティングメディアを使用する
●上記のようなディスクを使用することでピックアップの余計な動作が増え、負荷が多くなり故障や早期消耗の原因となります。
●フラッシュメモリなどが低価格化すれば光学ディスクは衰退していくものと思いますが、容量あたりの価格は圧倒的に光学ディスクが安く、書き換えできないという安全性にも秀でています。まだしばらくは光学ディスクの記憶メディアとしての独壇場は揺るがないと思います。
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