使っていないIT周辺機器の電源コードはコンセントから抜いたほうがいいのか、そのままでいいのか?
年数を重ねた機器は内蔵のバッテリーが危機です
●先日、"WALKMAN"を起動してもすぐに電源が切れてしまうのですが直せますか?という相談がありました。充電は前日からずっとやっていたので充電不足ではないと思う・・・ということでした。
●早速ヒヤリングを始めましたが、まず、使い始めてからどのくらい経つのかなど、聞いてみました。
- 使い始めてからの年数・・・3年
- 充電の頻度・・・毎日
- 最近の満充電からの使用可能時間・・・短くなっていた
- 満充電までの充電時間・・・長くかかるようになっていた
ということでした。
●以前のコラムでも言いましたが、充電式の電池に関しては以前から基盤へレギュレータやトランジスタ、ICなどを組み込んで自作の充電回路を作成したり、かなり研究や検証などを行った経験があります。ですから電池の挙動次第で何が起きているのかある程度は分かります。今回のヒヤリングから分かることは「バッテリーの寿命」です。
充電式内蔵リチウムバッテリーには充電回数に限界がある
●スマホやタブレット、音楽プレーヤーなどほとんどの携帯端末や周辺機器には電源としてリチウムイオン二次電池が使われています。二次電池とは充放電可能な電池のこと。それに対して一次電池とはアルカリ乾電池など充電できない放電だけの普通の電池のことです。
●この二次電池にはそれぞれ特性というものがあって、ニッカド電池にはニッカド特有の、ニッケル水素電池にはニッケル水素特有、リチウム電池にはリチウム電池特有のそれぞれ性質があります。
●二次電池には一般的に充放電の回数に限界があります。よく、「この電池は500回使える」とか「1,000回充放電できる」とかパッケージに書いてありますが、この「充放電回数」は充電池が持つ特性のひとつです。
●それを考えると3年使ったWALKMANは毎日充電していたということなので、1日1回充電したとしたら「365日x3年=1,095回」充放電したということになり、これまでに1,000回以上の充放電を繰り返したことになります。メーカーの基準では可能な充放電回数は約500回前後ということですから、寿命の回数の2倍以上耐えたことになりますからかなり使えたほうだと思います。
●でもなぜ、充電池は充放電の回数に限界があって無限回数の充電ができないのでしょうか?
※バッテリー内蔵式機器には限界がある
充電式内蔵バッテリーは消耗品、同時に機器の寿命となる場合も
●電池の原理というものは化学反応によります。それぞれ、どんな物質を使うかでその特性も違って来ますが、共通しているのは使用している材料が充放電のたびに劣化していくということ。
●最初は活性化していて元気でも、何度と無く充放電を繰り返しているうちに使用材料や極などの構成部分が劣化していきます。要するに「消耗」します。
●今皆さんが使っている充電式の機器のバッテリーは永久ではなく、すべてに消耗による寿命があるということなのです。では、電池の寿命がきたらバッテリーは寿命だとしても機器はどうなってしまうのでしょうか? その場合はバッテリーだけ交換することでさらに使用を続けることが可能です。
●ところが、この交換費が恐ろしく高額だったり交換用バッテリーが部品保有年数やロット終息の関係で既に無い機器もあります。その場合は事実上交換ができずそのまま機器自体の寿命ということになってしまうケースも多いのです。
●スマホやタブレット、ノートパソコンもリチウム充電池を使用していますので、例外なくバッテリーの寿命は訪れます。
●寿命までの数年間は問題なく使えますが、寿命が訪れた場合は交換となります。交換費は結構な高額ですから出費は痛いものです。スマホの場合はポイントなどが使用できるようですからまだいいかも知れませんが、タブレットや携帯プレーヤなどはその価格から言っても事実上買い替えざるをえないケースがほとんどだと思われます。
※リチウム電池は消耗品として考えておく 必要がある。
内蔵バッテリーの寿命を延ばす5つの方法は
●愛着ある機器をできるだけ長く使いたいと誰もが思うのは当然です。バッテリーごときでそれが潰えてしまうのも悔しいですね。
●できるだけバッテリー(ここではリチウムイオン二次電池)を長く使うには以下の5つの運用管理が必要です。
- 少しの使用だけですぐに充電コネクタで充電したりすることを1日に何度も繰り返さない。
- 自動車の中など熱い環境に放置しない。
- 満充電のまま長期間放置しない。(保存は40%充電が良いとされています)
- 過放電(残量が0%になるまで使う)を繰り返さない。※残量15~25%で充電が好ましい。
- 機器のシステムを最新の状態にする。(機器に配信される最新のシステム更新を必ず適用する。※バッテリー関係のプログラム改善が含まれることがある)
●以上、機器の使い方を守ればバッテリーを寿命いっぱいに使うことができて、買い換えのサイクルも長くできます。
●化学物質を使っている電池は同じく化学物質の集まりである生物にどこか似ています。私に言わせれば電池はまさに「生き物」です。自分のペットとしてかわいがるくらいの気持ちで充電式の機器類と接することで、機器は嫌がることなく動作をしてくれると思います。
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