Windowsは自己修復できてもパソコンのハードウェアは自然に直らない

古賀竜一

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テーマ:機器と端末の管理と保守

パソコンは機械です。ハード部分は自然治癒しません。

パソコンのトラブルや故障で相談の依頼があるとき、大体二通りの経緯を経てやってきます。

まず一つ目は、動作などがおかしいと言うことで初動対応を自分でやってみたけれど改善せず、「これは自分の手に負えない」と気付いて早期に相談されるパターン

2つ目は、何かおかしいと気が付いていても、とりあえず動いているからというのでそのまま漫然と使い続けた挙句、いきなり起動しなくなってあわてて相談する、またはどうにか自分で解決しようと悪戦苦闘した挙句どうにもならなくなってから相談されるパターンです。

やはり早期に相談される場合の方がトラブルや故障が軽微で済む場合があります。半年前から、1年前から既におかしくなっていた・・という診断依頼のパソコンはやはり深刻な状態になっている事が多いのです。そういう場合はデータ復旧の成功率も下がってしまいます。

これは人間の病気も早期発見が望ましいのと同じです。ですが、人間とパソコンでは決定的な違いがあります。人間は生物ですから「自己治癒」ということが考えられます。しかしパソコンは機械です。ソフトウェアはある程度修復できてもハードが劣化したり、故障した部品の自然治癒は望めないのです。

良く、「パソコンが立ち上がらなくなったけどしばらくしたら自然に直った!」という方がいますが、それは生き物のように自然治癒をしたのではありません。

パソコンのトラブルで診断依頼の電話予約を入れられた方から、しばらくして再度電話がかかり、「自分であれこれやっているうちに戻りましたから、診断は必要無くなりました。」というケースが時々あります。

そういう時はこれまでの経験上、もう一度電話がかかってくるだろうと思っているとやはり「やっぱり動かなくなったから診てください」と再度電話がかかってきます。

パソコンは、悪くなることはあっても何もせずにそのまま良くなることはないという良い見本です。

帯電によるトラブルは故障ではない

ノートパソコンのように基板帯電やバッテリーの枯渇などで一時的に起動しなくなることがあります。そのような場合は、充電や長押し操作などで状態が戻れば正常に起動するようになります。しかし、これは故障ではありません。ですから故障が直ったというわけではありません。

そのような違いを理解しないと、故障は自然に直るという誤解を生んで機械への対応を誤る原因なります。



直ったように見えるわけとは

現在のWindowsやパソコンは、自動修復機能が非常に高度化しています。一時的にブルースクリーンが出現しても、しばらくして正常に起動する場合があります。

たとえば、

・ファイルシステム修復
・自動修復
・システム復元
・Windows Updateの巻き戻し
・OneDrive同期復旧
・SSDエラー回避処理
・不良領域の管理
・起動構成の再生成

など、OS側が問題を回避しながら動作を継続しようとします。

そのため最近のパソコンは、「壊れかけていても一時的に正常動作へ戻る」ことがあります。

しかし、これは原因が消えたわけではありません。

特に現在主流のSSDは、昔のHDDのように異音などの前兆が少なく、突然認識しなくなることがあります。

また、

・SSDコントローラ故障
・NANDメモリ劣化
・メモリエラー
・電源不安定
・マザーボード劣化
・GPU障害
・熱暴走

などは、一時的に症状が消えることがあっても、根本原因そのものは残っている場合があります。

最近では「AIに聞きながら直した」「動画サイトを見ながら設定変更した」というケースも増えています。

もちろん有用な情報も多いのですが、原因を正しく切り分けないまま、

・BIOS設定変更
・レジストリ編集
・ドライバ削除
・コマンド操作
・ストレージ設定変更

などを繰り返すことで、かえって復旧を難しくしてしまうこともあります。

特にデータが重要な場合は、「まだ動いているから大丈夫」と考えるのは危険です。

起動エラーやフリーズ、自己修復、ブルースクリーン、頻繁なエラー表示などが起き始めた時点で、すでに内部では異常が進行している可能性があります。

その段階で、

・重要データのバックアップ
・ストレージ状態確認
・SMART情報確認
・温度や電源の診断
・専門業者への相談

などを行えば、深刻化を防げる場合があります。

パソコンは、一時的に症状が消えることはあっても、ハードウェアの劣化や故障原因そのものが自然に修復されることは基本的にないのです。

パソコンのトラブル、故障を深刻化させない為には


① 「動いた=直った」ではないと考える

一時的に起動しても、内部で問題が進行している場合があります。

② 同じエラーが繰り返される場合は放置しない

同じ症状が2回以上起きる場合、偶然ではなく異常の兆候である可能性があります。

③ 自力対応で深追いしすぎない

AIやネット情報は便利ですが、誤った操作で状態を悪化させることがあります。

④ 異常を感じたら先にバックアップ

「まだ使えるうち」にデータ保護を優先することが重要です。

パソコンは便利な道具ですが、機械である以上、劣化や故障は避けられません。

だからこそ、「まだ動いているから大丈夫」ではなく、“壊れる前提で備える”ことが、現在のデジタル時代ではますます重要になっています。

筆者の実績 :http://www.kumin.ne.jp/kiw/#ss

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古賀竜一(システムエンジニア)

九州インターワークス

ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

古賀竜一プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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