東京駅:「辰野金吾」

高塚哲治

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 現在、開業から99年目の東京駅は「世界で最大の駅であり、すべての新幹線が乗り入れている唯一の駅」です。
 丸の内などには大企業が集まり、近隣には国際ホテルも数多くあり、ビジネスと観光の拠点になっています。
 鉄道によって道路の往来が妨げられるのを避ける方策として、煉瓦造り連続アーチ橋を採用したのは、ドイツ人技師「ルムシュッテル」だそうです。ベルリン中心部のスタイルを移植したという説が強いということです。
 1897年に高架線のルートが決定され、1900年に着工したものの、日露戦争のために工事が中断、再開の運びとなったのは1906年。並行して東京駅の計画も推進され、帝国大学工科大学(現在の東京大学工学部)学長などを経験、辰野葛西建築事務所を主宰していた「辰野金吾」に設計が依頼されました。「辰野金吾」はヨーロッパ各国の駅舎を視察しました。ヨーロッパの中央駅は始発かつ終着の「頭端式」ですが、東京駅は「通過式」であることが大きな違いです。
 「辰野金吾」が設計した東京駅の駅舎は、「鉄骨赤煉瓦造り3階建て」で、南北に八角形の広間と銅板葺きの巨大ドームを備えた「ルネサンス様式」です。間口は約335mと、世界でも類例のない長大さです。奥行きは約20~40m、高さは3階建て部分が16.4m、ドームの頂部は37.6mです。この駅舎建設には、煉瓦が890万個、鋼材が3500t、基礎の松杭が1万1500本使用されたとのことです。
 歴史に刻まれた建築物(「東京ステーションホテル」)に、一度は宿泊したいものです。
《写真は「日経ビジネス特別版2012 AUTUMN 抜粋》





設計監理/調査鑑定/CM(コンストラクションマネジメント)
タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

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高塚哲治(建築家)

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大手設計会社での豊富な経験を生かし、多くの欠陥住宅問題を手がけ、日本ではまだなじみの薄いCM(コンストラクションマネジメント)を広く世間に発信し、遂行している

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