未払い賃金請求300万円、片田舎のスーパーの恐怖!
あなたの会社は、儲かっているでしょうか?
営業利益は、業界平均を上回っているでしょうか?
この記事は、厳しい競争の中でも、確実に利益を出し続けるための、経営戦略の根幹の話です。
多くの中小のスーパーマーケット企業(ほんの一部の優良企業を除き)が、営業利益率が低く厳しい商環境の中で悩んでいます。
要するに、「あまり儲かっていない…」のです。
そして、商圏人口の減少やドラッグストアなどの進出によるお客の取り合い。そして、急激なコストの高騰と、利益が「ジリ貧」の会社も少なくありません。
営業利益の低下は、企業によって様々ですが、業務改善のコンサルタントとして、私が気付く一つの共通点があります。
それは、企業全体として、ローコストオペレーションの体質になっていないと言うことです。
オペレーション力(作業や仕組み)が低く、EDLC(エブリデイ・ロー・コスト)の体質になっていないのです。
人時生産性にフォーカスしているか? ローコストオペレーションが実現できない原因
営業経費で、ダントツに高いのは人件費です。概ね、売上対比で10%程度あります。
勿論、それ以下も有りますが、逆に、12%~13%に膨れ上がっている場合もあります。
オペレーション力が低いということは、人時売上高(売上高÷投入人時)が低いことでもあります。
現場の作業や業務にムダが多いことや、マネジメント力が低いこと、そして、それを支える仕組みが悪いことなどが考えられます。
そして、中小企業の生産性が低いということは、人時生産性(粗利益高÷投入人時)が低いということでもあります。
人時生産性をアップ出来れば、会社の収益は勿論のこと、従業員の給与も、確実にアップさせることが可能となります。
スーパー業界で問題になっている、人手不足や人件費の高騰などの課題も、解決できる方向に向かいます。
そして何より、優秀な人材の定着率向上と採用の確立が高まります。
低い人時生産性の改善策を探るには、先ずは売場づくりや商品管理、実地作業など、現場に焦点を当てることです。
そして、『過剰在庫』や『欠品』、『作業』や『仕組み』などを調査して、ムダを徹底して洗い出すことです。
また、全体をコントロールする店長のマネジメント力が重要であることは言うまでも有りません。
生産性を下げている現場の問題を見付けて、課題を解決することが出来れば、粗利益率の向上と適正な投入人時によって生産性はアップすることになります。
部門別 営業利益率にフォーカスしているか?
スーパーマーケットしいう業態にとって、人件費は最大の営業経費です。
前述したオペレーション力が低いということは、その人件費率(労働分配率)が高くなったり、従業員の報酬が低かったり、また、その両方であったりします。
その他にも、チラシやポイントなどの販売促進費も費用対効果を考えない使われ方をしている場合や、水道光熱費などの経費全体についても、ムダに使われている場合も多く見かけます。
例えば、フロントエンドの役目を果たさない集客力の無いチラシは、それ自体もムダな経費ですが、バックエンド(粗利益を上げる仕組み)の無いチラシ(販促企画)は、特売品の売りっぱなしで、粗利益を確実に下げることになります。
これらは、マーケティングの基礎の勉強して理解していないことが原因です。
そしてチラシの特売は、品出しやPOPの張替えなど、特売の準備のための作業工数を多くし、結果として投入人時を多くしてしまいます。
更に、数量管理が出来ていなければ、残品の移動や値引き作業なども引き起こし、更にムダな投入人時を増やし、人件費は確実にアップすることにもなります。
この様に、ローコストオペレーションが意識されていない現場では、営業利益を下げてしまう多くムダが隠れています。
今後、スーパーマーケット業態にとって、売上が伸びにくい環境では、今の効果の出にくい生産性の低い『やり方』を見直す時期に来ているのです。
特に、人時売上高や人時生産性は、重要な管理課題であると言えます。
【関連動画】ムダを無くす ⇨https://www.youtube.com/watch?v=zvNFY7I16Jo
ハイコスト・オペレーションの問題に気付いているか?
特に深刻なことは、オペレーション力が、低いということを先述しました。
ここで言う、オペレーションとは、現場の作業(個人スキル、手順、道具など)と、仕組み(物流やPOS、店舗レイアウトや在庫管理など)を合わせたものです。
私たち業務改善の専門家は、人時売上高と人時生産性の実績数値を見るまでもなく、実地店舗(売場とバックヤード)を観させてもらえば、現場の課題を簡単に見付けることができますが、「そのことに気付いていない」経営層が、多いことにも驚かされます。
目先の売上や粗利益だけに視点が向かってしまい、現場の問題点に対して無頓着過ぎます。
生産性を向上するには、営業戦略とオペレーションを合わせて考えることが重要になります。
どちらかを立てれば、どちらかが立たずのトレードオフの考え方ではいけません。
そして、売上が伸びにくいこれからの時代には、ビジネスの最終目標である営業利益を、現状の売上規模でも確実に確保、拡大することに視点をそらさず行動することが重要です。
正しい投資でローコスト・オペレーションを実現する!
現場の課題の事例を幾つか取り上げましたが、多くの課題を社内のメンバーで見つけ出すことは、非常に難しいと言えます。
そして、課題と適切な解決策(優先順位、目標設定、メンバー選定、スケジューリングなど)となると、さらに難しくなります。
その意味から、外部の専門家に頼んで、先ずは実地調査(売場づくり、作業、実績数値など)を行い、アドバイスを受けることが得策だと思います。
費用は掛かりますが、費用(お金と時間)対効果から考えれば、全く問題の無い選択肢になるでしょう。
新たな方向性も明確に見えて、未来に向かって、ムダを少なく行動することが出来ます。
一度、生産性の高い仕組みに改善してしまえば、(永久にとは言えませんが)その後の成果は確実に継続することに繋がります。キャッシュフローが改善して、営業利益も、確実に蓄えられることになります。
ローコスト・オペレーションは会社の重要資産となる!
オペレーション力は、マーケティング力と同じく、会社の重要な『資産』です。
訓練されたチームのオペレーションは、何年たってもさび付くことなく、継続して多くの利益を生み出してくれます。
また、一度改善の勘所を掴んだチームは、将来的にも確実に大小の改善活動を繰り返せるチームとなるでしょう。
人時生産性が高くなれば、従業員の報酬も確実に高めることが出来て、モチベーション・アップと定着率を高める効果も大いに期待できます。
営業利益率が高くなれば、会社の成長発展のための教育投資や生産効率を高める設備の導入、店舗のリニューアルなども可能になります。
ドラッグストアやディスカウントストアなど業態を超えた競争によって、既存店の売上が伸びにくい(低下する)状態で、この先も変わることは無いでしょう。
今後も確実に適正利益を確保し続けるためには、ローコスト・オペレーションの確立によって、体質改善を実現する必要があります。
業務改善を、真剣に考えてみることを強くお奨めします。
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