売上を“10倍”にする会議 スーパーの生産性を簡単にアップさせる1つの方法!
新年度が始まった会社も多いと思います。
今期の業績を確実に向上させるためには、戦略が大事です。そして、組織です。
しかし、意外に分かっていないのが『やり方』です。
いわゆる「絵に描いた餅」にならないためには、確実に実行して、良い結果を出すための仕組みやツールが必要になってきます。
■店長の悲痛な叫び
「やり方や基準が分からないんです・・・」
これは、あるクライアントの会議の時に、そこの店長から出てきた一言です。
このクライアントは、小さな会社ですが、年間の目標と方針、そして、その実現のための実行課題は有ります。会議室や各部門のバックルームの壁にも掲示してあります。
ただ、実行の細部になると具体性に掛けています。
「誰が、どう動くか」
「どこをどうやるか」
「何時までに、どのレベルまでやるか」
などということになってくると、全くわかりません。
ですから、店長の言う「やり方がわからない」というのは、仕方のないことです。
また、「基準」についても、社内で具体的な話し合いがなされておらず、当然共有化されていません。
結果的に、各部門が立てた改善課題は、数ケ月たった今でも、そのほとんどが具体的に進行されていないのが現状です。
私達のやり取りを聞いていた社長が、
「具体的には、このような計画を立てています」と、数枚の紙を、私に見せてくれました。
そこには、箇条書きに段落をまとめたものが、隙間なく何行にも渡り書かれてあります。
それを見た私の率直な感想は、(文字だらけで)「見たくない・・・」ということでした。
おそらく従業員の方々も同じようなことを感じているのではないかと、察しがつきます。
この様なことから、店長は、改善活動のための現場のフォローを全く実行できていません。
この様な事例は、企業の大小を問わず、クライアントの現場で数多く発生しています。
今回は、計画をスムーズに進めるための仕組みやツールについて、幾つかの事例をあげて解説を進めていきます。
尚、今回紹介するツールについては、あえて1社のものに絞っていません。
どのクライアントも基本的な部分については、こちらからたたき台を出していますが、状況に合わせて使い勝手が良いように、各社修正を加えて活用してもらっています。
■現場の何処をどの様に見るか・・・店長の店舗チェック表(オペ
例えば、この店長から出てきた意見の中で、『基準』という言葉の意味は、単純ではないと思います。
仮に、現状確認や進捗状況など、現場を確認するにしてもポイントを書いたものが有ると具体的に動くことが出来るようになります。
基本的なものとしては、以下のようなチェック表が有ります。
これは、『部門別・時間帯別のオペレーションチェック』を行うためのものポイントを現したものです。
上記の表で、4W1Hの、「何時」、「何処で」、「誰が」、「何を」、「どの様に」の中で、
「何時」、「何処で」、「誰が」、「何を」までは、確認することが出来ます。
そして、ルーティンとして現場で実行すれば、時間の経過とともに要領を得ていきます。必要に応じて改善課題を追加して活用していくのも良いでしょう。
■重要課題に日々確実に焦点を当てて行動する・・・基本4原則プ
ここは、店舗運営の根幹の部分ですから、少し詳しく解説します。
基本四原則は、皆さんご存知だと思います。
企業によって、多少表現の違いはありますが、概ね以下のようなものでしょう。
①鮮度(品質)の良いものを販売する
②欠品をしない
③衛生管理を徹底する
④フレンドリーな接客に努める
当たり前のことですが、現場の達成レベルは、企業や同じ企業内でも店舗によって大きく違います。
結果の殆どは、チームリーダーである店長や部門チーフの行動で決まると言っても過言ではないと思います。
どちらにしても、基本四原則と重要課題に日々確実に焦点を当てて行動することが、企業の発展のためには重要です。
更に、店長が、現場を確認する上で重要なことは、
①基本四原則の出来栄え
②お客の目線で不都合がないか
③従業員目線で不都合がないか(ムダ、ムラ、ムリ)
というようなことです。
そして、
④何時観るか
ということです。
店長の仕事の根本の部分は、ここに有ります。
お客が日々買い物をしていて感じる、『良い体験』。
また、逆に『悪い体験』。
それは、この基本4原則の応用部分に大方集約されます。
ですから、日々の業務の中で、これらの出来栄えを現場で確認したり、必要に応じて現場に修正指示をしたり、
また、これらのことに対して、不足すると思われる部下の知識や技術を発見して、そのレベルアップのための教育や訓練が、重要な店長の仕事になります。
それでは、以下で4W1Hの「どの様に」についてお話いたします。
■結果の「見える化」・・・改善課題のカルテを作る
具体的な改善課題と、改善のためのプロセスを確実に踏むために、下のような帳票を活用するのも、非常に効果的です。
下の表には、
①改善課題
②目標(達成レベル)
③原因
④対策(目標達成のための優先実行項目)
⑤進捗状況
が掲げてあります。
これらのチェック表をつくることによって、店舗や部門の課題と取り組み内容の共有化が出来るようになります。
ここでの重要なポイントとしては、④の対策の部分です。
「本当に、このことを実行すれば、目標を達成することが出来るか?」という観点です。
本当に効果性の高いものを割り出し(2~3項目程度)、優先順位を付けます。
重要度の高いものを優先して実行することが、時間のロスも少なく効果的です。
■課題の共有化(見える化)とセルフチェック
現状課題を設定したら、その内容の詳細を具体的に表記します。
そして、そのチェックをチーム全体で行うことで、個人とチームのレベルアップを図るのです。
まずは、本人がセルフチェックを行い、その後チームリーダーやメンバーに確認してもらいます。
このチェックを定時に行い、個人のスキルアップと改善の進捗状況を確認することが出来るようになります。
結果的に、チーム内に相乗効果を生むことになり、チーム力は確実に向上していきます。
■目的の明確化とプロセス管理・・・営業利益管理(店舗、部門別
営業利益がビジネスの目的で有ることは、これまでも何回か話してきました。
損益計算書は、社内で使う各種の管理帳票の中でも、最重要ツールであると言えます。
しかし、現場で効果的に活用されていない会社が多いことにはビックリさせられます。
損益計算書は、営業戦略と大きく関わります。
そして、下の図のように、月別に流れを確認できるようにすると、良くも悪くも傾向が解ります。
例えば、月毎の売り上げ予算(規模)に見合って、戦略的に人件費の投入がなされているかなど、投資対効果を確認することも出来ます。
そして、下の表は、上の損益表の各勘定科目を種類別に集約するとともに、前年対比(予算対比)や最大経費である人件費に関係する投入人時、人時売上高や人時生産性という人時管理のデータと、労働分配率などを付け加えて、実務上月々の判断基準が導き出しやすいように損益表を加工してあります。
また、それを部門別に作り替えれば、より戦略的に活用することが可能となります。
具体的には、商人舎magazine2017年・1月号の【『部門別損益管理』で、賢く・無駄なく・戦略的に稼ぐ!】の記事を参照してください。
■業績アップを確実にする、販売計画と売場展開
販売力を確実につけるために、大きく貢献してくれるツールです。
販売計画書や販促カレンダーなど、企業によってタイトルは違うかもしれません。
そして、その中身のレベル差はとても大きいといえます。
基本的には、
①月間、週間または日(曜日)で、売り込むアイテム(企画)を明確にする
②週間の前年同期のカテゴリー・ベストと単品ベストで、主軸アイテムを伸ばす
などが重要なポイントになります。
そして、重要なことが、何処で売場展開をするかということが重要です。
①重要アイテム(企画)を決定する
②マグネットの強さと、重要アイテム(企画)の売上予算を勘案して売場を決定する
など、より科学的に、そして戦略的に売場づくりを行います。
下の表が、その売場の展開計画表(陳列指示(計画)書)になります。
また、上記のように、売上高や粗利益高など実績を展開表に書き込み、計画の効果確認すること。そして、次回以降の売場づくりに反映すると良いでしょう。
これらの実践型の計画書は、それを繰り返すことによって、確実に販売力を付けることに繋がります。
■計画の目標を達成するために「知っておきたいこと」
最後に押さえておきたい重要なポイントが有ります。
それは、下の図にあるように、『戦略』と『オペレーション』と『リーダーシップ』のフレームワーク(考え方の枠組み)です。
つづきは、こちらからご覧ください⇒ 商人舎magazine4月号・WEB版
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■ 『スーパーの業務改善』 その他の参考記事
⇒ スーパーの業務改善入門
⇒ スーパーの業務改善
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