50代からの暮らし安心塾 クレオ大阪南 第1回報告 ☆遺言・相続vol.9⑲☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
法定相続情報証明制度は、従来通り、戸籍等で相続関係を証明する方法に代えることができる制度ですが、利用できない場合もあります。
ここでは、法定相続情報制度が利用できないケースをお伝えします。
なお、法定相続情報証明制度が「利用できなくても」、「利用できたとしても」、これまでと変わらず、戸籍等で相続手続を行うことができることに変わりはありません。
1.Aが死亡し、子B,子Cが相続人となり(一次相続)、相続手続をしない内に、子Bが死亡したケース。子B(二次相続)の相続人は、配偶者Dと子E。
子Cは、Aの相続手続きに必要な法定相続情報証明を取得することができるでしょうか。
法定相続情報証明は、一つの相続についての証明ですので、Aの死亡により最終的に誰が相続人となったかを知るには、Aについての法定相続情報証明とBについての法定相続情報証明の2つが必要です。
Aについての法定相続証明情報証明は、相続人である子Cが申し出ができます。この他に、相続人Bの地位を相続により承継したBの配偶者DやBの子Eも申出ができます。
Bの相続(二次相続)についても、このケース、Cには利害関係がありますが、CはBの相続人ではないため、申出人とは認められていません。Bについての法定相続情報証明は、Bの配偶者DやBの子Eの申出が必要となります。
2.法定相続情報証明の交付を申出るためには、Aが生まれてから死亡するまでの間の戸籍等を提出する必要がありますが、市役所の除籍謄本の保存期間経過のため、古い除籍謄本の交付を受けることができませんでした。不動産の相続登記にあたっては、Aの12歳位から死亡までの戸籍等の提出があればよいとされているので、今ある戸籍等で法定相続情報証明の申出をすることができるでしょうか。
法定相続情報証明制度は、あくまでも戸籍等の代わりとするものですので、生まれてから死亡するまでの戸籍等が切れ目なく揃っていなければ、交付を受けることはできません。この様な場合には、従来通り、Aの12歳位から死亡までの戸籍等の提出をすることで相続手続きをすることになります。
3.被相続人が外国籍である場合や、国際結婚をしていて、相続人である配偶者が外国籍といった場合、法定相続情報証明を申出できるでしょうか。
被相続人であれ、相続人であれ、日本国籍を有しない場合には戸籍等に記載されません。従って、これを添付することができないので、法定相続情報証明制度は利用できません。
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司法書士佐井惠子