相続人に認知症の方が一人でもいたら ☆遺言・相続vol.10④☆

佐井惠子

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テーマ:相続

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
相続人の中に、認知症などで遺産分割ができない方が
お一人でもいらっしゃると、相続手続きはストップします。
最高裁判所の「成年後見関係事件の概況」によると、
後見人選任申立の動機の1割が、遺産分割協議であるといいます。

お子さんのいらっしゃらない方の相続について、
相続人のお一人から、遺産の不動産を、三周忌を終えてから、
売却あるいは寄付しようと思っていると伺っていました。

相続人の多くは70代、80代とご高齢の方々です。
3年の間に、状況が変わってしまっているかもしれません。
例えば、相続人に、更に相続が発生するかもしれませんし、
あるいは認知症などが発症するリスクも考えられます。

中でも、相続人の一人が判断能力に不安が出てきたときには、
成年後見人の選任申立を家庭裁判所に対してする必要があります。
http://www.sai-shihou.jp/business/seinen.html#seinen02
一度選任された後見人は、遺産分割や売却が終わったからといって、
任務終了という訳ではありません。

関係の遠い相続人に対して、成年後見人を選任してもらいたいと、
なかなかお願いできるものではありません。
かといって、いつまでも遺産分割協議ができないのも困ります。

いつまでも、相続人全員が、元気でしゃきしゃきしているとは限りません。
先日のご相談で、相続手続は時間を置かずに進めることになりました。
それで、良かったと思います。

笑顔の輪が広がりますように。

司法書士佐井惠子

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