50代からの暮らし安心塾 クレオ大阪南 第1回報告 ☆遺言・相続vol.9⑲☆
(夏の北海道 小樽の風景)
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
幼い子どもを育てる中で、よく耳にする訴え。
それは、「お兄ちゃん(あるいはお姉ちゃん)、ずるい!」ではないでしょうか。
「平等じゃない!」という抗議は、とても自然なものだと思います。
先日お話ししたのは、自らが、「特別に贈与等してもらったから、
相続においてはもう何の取分がなくても異存ありません。」と、文書にした特別受益証明書についてでした。
今日は、どういったものが「特別受益」となり、それが遺言と、どう関係するのかをお話しします。
民法第903条第1項によれば、婚姻、養子縁組のための贈与、生計の資本としての贈与を「特別受益」と定義しています。
具体的には、親のクレジットカードを自分のカードのように使わせたり、生活費を援助していた場合。
その子にだけ、特別に無理をして高等教育を受けさせた場合。
会社を経営する子どもにだけ、事業資金を援助した場合。
今時ですが、結婚の持参金や支度金など。
一方で、結納金や挙式費用はこれには該当しません。
相続人自身ではなく、相続人の子ども(孫)に対する大学入学金の援助等が特別受益とされることがあります。
相続人の負っている子に対する扶養義務を援助することも、特別受益と判断されるのでしょう。
遺贈と共に、相続開始時の財産にこれらの額を加えたものを相続財産とみなして、
それを基準に相続分を算定することとなります。
遺言との関係で言いますと、遺言者がこの相続分と異なった遺言をした場合には、
遺留分に反しない範囲で、遺言が効力を有するとされていることです。
遺言のご相談を受ける中で、「長男には今まで十分にしてきたので、二男に自宅を遺そうと思います。」
といったお話しをよく伺います。
そういう場合には、もう少し具体的にどういった援助や贈与をされたのか、いつ頃のことか、
特別受益に該当するものかどうか、またその額を尋ねて、遺言の付言事項に入れるようにします。
長男を援助するにあたり、親としては、二男に詳しいことは話していないでしょう。
話しにくいものです。
その辺りの情報を具体的に入れておくことが、争いを防ぐポイントになります。
遺言を書こうと思った、その先の思いをくみ取った遺言にしたいものです。
笑顔の輪が広がりますように。
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司法書士佐井惠子
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