複数の遺言執行者と遺言執行者の復任権 ☆遺言・相続vol.9⑰☆

佐井惠子

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テーマ:相続


こんにちは、司法書士佐井惠子です。
遺言に指定されている執行者の方が、体調不良で、何もしてくれません。
執行者は高齢のご親戚でもあるので、どうしたものでしょうかと、
いかにも困ったといったご相談を受けました。

本来、遺言執行者自身で執行はすべきで、復任権は原則制限されていますが、
1年間も手つかずといったことでしたので、例外の「やむを得ない事由があった」として、
執行者から第三者に復代理人を選任してもらって下さいとお答えしました。

遺言執行者を遺言の中で指定しておくことは、大切です。
「複数」選任している場合も、よくみかけます。
保存行為は単独でできますが、その他は、原則、執行者の過半数で決めて行います。
可否同数の場合は、決められませんので、家庭裁判所に追加的に遺言執行者の選任をしてもらいます。
親族を執行人に選任するときに、良く話し合って執行してほしいと思う場合に使えます。

複数の執行者の分担や権限を指定して、各自単独で執行できる旨定めていれば、
その意思は尊重されます。
司法書士等が執行者となる場合には、分担や権限は指定しないで、
各自単独で行えるよう、規定を入れておくことが多いです。

これから遺言を書こうと考えていらっしゃる場合は、「複数」遺言執行者を指定しておくと、
ご相談者のような困ったことにはなる可能性は低いですね。

それでも、一人、執行者をお願いするのも大変なのに、
二人もなんて見つからない・・・という声も聞こえてきそうですね。

そこで、初めから必要に応じて、遺言執行者は復任権を有するとしておけば、
1年間も、待ち続ける・・・「やむを得ない事由」となるまで待たずとも、
遺言執行者の責任のもと、復代理人を選任してもらい、
復代理人が遺言執行者に代わって、銀行等の解約手続きを行うことができるので、お薦めです。

遺言執行者にご親戚や知人などを指定される場合には、
ご本人からのリクエストはなくても、一歩進んで、この辺りの配慮をしています。

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