自筆証書遺言を使いやすくする改正 ☆遺言・相続vol.10③☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
未成年者の養親がすべて死亡した場合には、家庭裁判所で後見人を選任しなければなりません。
実の親がいたとしても、親権は回復しないためです。
相続税対策で孫を養子縁組する場合、遺言ものこしておきたいところです。
孫のEを養子にした祖父Aが亡くなり、その実子で、Eの父親であるCがいます。
Aの配偶者Bは既に亡くなっています。
Aの共同相続人は、実子のCと養子のE。
そこで、CとEで遺産分割協議をする必要があります。
Eが未成年者なので実親Dが代理人となって、遺産分割協議ができますかというお問い合わせがありました。
本件の養子は、養子縁組後も全く変わらず実の両親のもとで生活しているため、
つい、Dが親権者としてEを代理して・・・という発想になったのでしょう。
ところが、実親C・Dは、Eを養子に出したときに、親権を失い、
それは養親が死亡しても回復するものではありません。
養親がすべて死亡した場合は、
民法第838条に所謂、未成年者に対して親権を行う者がないときに該当し、後見が開始します。
親として子の監護を他人に任せきった者が養親の死亡により突如として親権を回復するということは、
親権制度の趣旨に沿わないからであると、ある文献には解説されています。
養子といっても、節税のためのものとは事情が随分と違っていますね。
養親である祖父Aさんは、未成年者Eに対して、最後に親権を行うものに該当します。
そこで、Aさんとしては、遺言で未成年者後見人を指定しておくことができました。
また、実親Cを未成年後見人に選任した場合、遺産分割協議をするには利益相反となりますので、
遺産分割協議の内容を示して家庭裁判所に特別代理人の選任を求めることとなります。
遺言があれば、スムーズでした。
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司法書士佐井惠子
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