自筆証書遺言を使いやすくする改正 ☆遺言・相続vol.10③☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
相続人がいないときに、残された財産はどうなるのでしょうか。
相続人なくして亡くなった被相続人所有の不動産を購入したいというご相談を受けることがあります。
相続人がいないと国のものになるとよくいいますが、
財産といっても、不動産もあれば動産もあり、債権もあれば、逆に債務が残っている場合もあります。
どれも、そのまま国のものになるのではなく、金銭に換価することが必要です。
そして、あたかも解散会社の清算人のような仕事をするのが、不在者財産管理人です。
相続人がいなくて、財産を残して亡くなった人ばかりでなく、
相続人の全員が相続放棄をした結果、相続人が不存在となった場合にも、
「相続人のあることが明らかでないとき」として、
被相続人の住所地または相続開始地の家庭裁判所に、相続財産管理人の選任申立をします。
申立権者は、利害関係人。
例えば、債権者や抵当権者であったり、家主さんであったり、成年後見人であった者も。
特別縁故者や、不動産を買収しようとする国や地方公共団体なども、該当します。
相続財産管理人は相続財産を保全し、相続財産の性質を変更しない範囲で利用・改良行為を行います。
これを超える行為については、裁判所の許可を得たうえで行います。
従って、不動産の売却も自由には行えません。
財産の処分は、競売を基本としますが、そうでなく任意売却しようとするときは、
家庭裁判所に、事前の許可を得て行います。
こういった物件は安く手に入るとお考えの方もいらっしゃるようですが、
いかがなものでしょうか。
手続きについては、こちらをご覧ください。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_06_05.html
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.jp