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位牌や墓地は、相続の対象とはなりません ☆遺言・相続vol.8①☆

2011年8月15日

テーマ:相続

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: お墓参りお墓相続 手続き

こんにちは、司法書士佐井惠子です。
位牌や仏壇、過去帳、墓地や墓石などは、遺産分割の対象にはなりません。
祖先の祭祀を主宰する人が承継します。

今日は、実家のお墓参りに行ってきました。
朝早くのつもりが、ついつい時間がたって、なんと炎天下に1時間過ごすことに。
腕も顔も、日焼け止めクリームを塗って出かけましたが、全く効果なし。
今、赤くほてって、困っています。

さて、この墓地や墓石などの祭祀(さいし)を、誰が承継するかは、
被相続人の生前あるいは遺言による指定があれば、それが一番優先します。
方法は、それと外部からわかるものであれば、口頭でも、書面でもかまいません。
その指定がなければ、慣習に従います。
慣習といっても、以前の家制度を連想するものではないという判例があります。
その慣習が不明な場合は、家庭裁判所が定めます。

相続人に限定しないので、例えば内縁の夫や妻、あるいは相続放棄をした人も、
この承継者にはなれるわけです。

一方、遺骨についても、もちろん遺産に含まれるものでも、
所有権の客体となるものでもないのでしょうが、
誰が引き取るかが問題となる場合があります。
これに対しては、祭祀承継者が管理すべきとする最高裁判所判例があります。
もっとも、分骨することは一般にあることですし、話し合いがつけば、認められるのでしょう。

任意後見契約と共に死後事務委任契約を締結するケースがありますが、
この契約条項によって、自身の遺骨をどうして欲しいのか、祭祀を誰に承継してほしいか、
本人(被相続人)の意思を明確にしていることとなり、
これがあれば、ご本人の意思が、何ものにも優先されることとなります。

司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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