文藝春秋七月号「私の自筆遺言証書を公開する」小島慶子氏の場合 ☆遺言・相続vol.7⑦☆

佐井惠子

佐井惠子

テーマ:相続




こんにちは、司法書士佐井惠子です。
再び、自筆証書遺言特集 小島慶子氏にひとこと。
これは、若い母親として、本当によくよく考えた上の遺言だと思いました。

それは、遺産の一部を、親を亡くした子どもの育英金として寄付するという内容でした。
親を亡くした子も自分の子も同じように思える、守りたいと思っている。
そして、子どもたちには、つらいのは君たちだけではないよというメッセージ。ずんと伝わってきます。まっすぐな方ですね。

ひとこと言うとすれば、公正証書遺言で寄附先を特定できていると、更に良かったということ。
なぜなら、私の知る限り、公益法人などは、寄附は公正証書で作成されたもので、
宛先もしっかりと特定されているものしか、受け取ってもらえないためです。
このままだと、配偶者がいったん相続して、寄付先をみつけて寄附するか、
あるいは、寄附するとしていた遺産だけ分割協議をして、相続後に寄附するかになります。
もちろん、公正証書遺言でないのは、今回の企画が自筆証書遺言だから仕方がないですし、
寄附先の名前を出すのを、本になるので控えられたのかもしれませんね。

付言事項では、まだ若い夫に恋人ができとき、ためらわないでといい、
それを、子どもたちにも理解してあげてほしい、素晴らしいことなんだと伝えています。

記事の最後に、以下のように結んでいます。
~抜粋~
わが子という、いなかった人が生まれてきたとき、自分も必ず死ぬと思って保険に入り直しました。
悩んで、死のうと思ったこともありました。
でも、生きていて良かった。
遺言書作りは、現実的な感謝と肯定の作業でした。

「肯定の作業」という言葉に、遺言の介添えをした方々のお顔が浮かんできました。

司法書士佐井惠子
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