公正証書遺言ができるまでの自筆証書遺言 ☆遺言・相続 VOL.10⑩☆
こんにちは、司法書士佐井惠子です。
今日は、黄砂の中、先祖の墓参りに家族でわいわいと行ってきました。
そこで、今日はお墓のお話しです。
お墓の承継には、遺産相続のルールとは異なるルールがあります。
今日も、黄砂で遠くが霞んで見えるような一日でしたね。
この春から一人暮らしを始めた娘も帰ってきたので、
報告と見守ってやってくださいというお願いもあって、お墓参りに行ってきました。
お墓や墓地、系譜、祭具などを祭祀財産(さいしざいさん)と、いいます。
これらは、祖先の祭祀を主宰する人が承継しますが、その決定のルールは、
法定相続人が集まって、遺産分割をして・・・では、ありません。
第一に、被相続人の指定によります。
方法に制限はありません。生前でも、遺言でもいいですし、書面・口頭、明示・黙示を問いません。
第二に、指定がなければ、慣習に従います。
この慣習の意味は、旧民法の家制度とかでなく、戦後の慣習ということですが、
私には、具体的なイメージが湧きません。
第三に、慣習が明らかでなければ、家庭裁判所が定めます。
ここに至ると、承継人と祖先の関係というより、被相続人との関係を重視することになります。
生計を一にしていたとか、身分関係が近いとか、
被相続人に対して思慕の念を持ち、末永く祭祀を主宰するに相応しい人として定めた判例があります。
第二、第三の方法によるよりは、
関係当事者の話し合いで、納得して承継人になるというのがいいと思うのですが、下級審判例はゆれています。
墓地自体に財産的価値がある場合もあるでしょうが、
一方で、利用料など高額な維持費を負担したり、檀那寺から寄付を求められたりと、
負担も大きいといったケースもあります。
祭祀承継人は、相続のように放棄も辞退もできません。
やっぱり、このあたりもご本人が何らかの意思表示をしておく必要がありますね。
祭祀承継の問題は、今後クローズアップされてくるでしょう。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com