自筆証書遺言を使いやすくする改正 ☆遺言・相続vol.10③☆
こんにちは、佐井惠子です。
遺留分を被相続人の生前に放棄しておくという、私の事務所でも一度だけ経験したほどの、
珍しいご相談がありました。
もちろん、遺留分の放棄をしただけでは足りなくて、遺言をしていなければ放棄をした意味がありません。
週末、思いがけず、とてもうれしい訪問を受けました。
元銀行の支店長さんと、不動産会社を開業なさったご子息です。
最初の不動産売買仲介案件が成立したのでと、登記の依頼をいただきました。
そこで、質問をいただいたのが、遺留分の放棄です。
遺留分とは、一定の法定相続人に保障される相続財産の一定割合のことです。
兄弟姉妹以外の法定相続人には、遺留分があります。
この制度の趣旨は、遺言や贈与といった被相続人の相続財産処分の自由と、
法定相続人の生活保障のバランスを図るところにあります。
それだけに、遺留分の放棄には家庭裁判所が関与して、
1.申立が自由意思に基づくものか
2.放棄の理由に合理性・必要性があるのか
3.代償性があるか
といった点を審査して、許可するかどうかを審判することになっています。
なかなか、ハードルが高いです。
例え、遺留分の放棄があったとしても、肝心の遺言がなければ、
普通に、遺産分割協議が必要になってしまいます。
遺言をお忘れなく。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com