公正証書遺言ができるまでの自筆証書遺言 ☆遺言・相続 VOL.10⑩☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
借金と違って、債務者が支払えないときに顕在化する保証債務は、その存在が忘れられがちですが、
保証人が亡くなったとき、その保証人の地位は相続されます。
保証人がやっかいなのは、債務者が完済してくれれば問題ないのですが、
それが今の時点では、わからない場合があることでしょうか。
あるいは、保証債務は当事者以外からは見えにくいということ。
相続人が、そのような保証債務の存在を後から知った場合、
わかっていれば、相続放棄をしたものを・・・と、思うことだってありますね。
相続放棄するにしても、自分が相続人となったことを知ったときから3ヶ月以内という期間制限があります。
3ヶ月の間に調査して・・・といっても・・・、どうしていいか分からないとのご相談に、
信用調査会社に個人情報の開示請求をする方法をお伝えしたことがあります。
但し、この方法では、個人間の保証などは分かりません。
裁判では、原則として、相続が開始したという事実と、
これによって自分が相続人となったことを知った時から3ヶ月以内に限定するものの、
その間に相続放棄等しなかったのは、「亡くなった本人に債務が存在しなかったと信じたため」であって、
本人の生活歴、本人と相続人との交流の有無など様々な事情から、
相続人がそう信じたことに相当の理由があると認められるときには、
例外として、3ヶ月の期間のスタートを、相続財産に関する認識をもった時からとして、
不意打ちの債務の相続から救済したものがあります。
保証債務があることを知らずに、突然、相続人に請求されたとき、
諦めないで、相続放棄を検討してみたいものです。
司法書士佐井惠子
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