「葬祭サービスに相続手続き代行」の不思議 ☆遺言・相続vol.10⑩☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
昨日は、大阪司法書士会家族法研究会研究発表「遺言をめぐる諸問題」の発表を聞いてきました。
その中で、それはいいと思ったのが、日本では当然できない「夫婦の共同遺言」が、
ドイツでは、ちゃんとその規定があるというお話でした。
基調講演は、大阪大学大学院国際公共政策研究科 床谷文雄教授による
「遺言をめぐる諸問題(遺言法の課題)」
その講演の中での、ドイツで認められている「夫婦の共同遺言」をご紹介します。
ドイツの夫婦(同性登録パートナー)の共同遺言を認めるベルリン遺言。
要点は、
① 夫婦が互いを単独相続人に指定。後に開始した相続の相続人を子と指定する
② 一方が死亡した際に相続人である子が遺留分を行使しないように牽制する条項
一方日本では、夫婦互いに一つの遺言をすると無効となってしまいます。
そういったご相談には、夫婦別々に「遺産は配偶者に」という遺言をすることをお薦めしています。
でも、本当のところは、それで十分ではないのです。
なぜなら、遺言があっても、子からの遺留分減殺請求を防ぐことはできないからです。
遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)請求権とは、
法定相続分の半分までは、遺言によっても奪われるものではない、
相続人に認められた権利で、取り返すための請求権です。
残された配偶者が実の親子でない場合は、一番問題が先鋭化します。
高齢化社会による配偶者の生活保障や、子どもの年齢の変化、
また再婚の増加など、家族の変化に対応する法律の整備が必要ですね。
改正信託法を利用すれば、類似の効果を出すことができます。
これは、多くの方に知っていただきたいですね。
司法書士佐井惠子
http://sai-shihou.com