自筆証書遺言を使いやすくする改正 ☆遺言・相続vol.10③☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
遺贈を受けた人、「受贈者」自らが、遺言執行者になることができます。
公正証書遺言で受贈者が遺言執行人となった登記を行いました。
受贈者が、登記権利者兼登記義務者となります。
遺贈では、遺言書で遺言執行者を定めておかないと、すぐに遺言を実現することができません。
この場合、共同相続人全員の協力のもと、受贈者に財産を引継ぐか、
あるいは、家庭裁判所に遺言執行者を定めてくれるように、申立てをするしかありません。
候補者を申立人自ら選ぶことはできますが、
必ずしもその人が選任されるとは限りませんし、選任されるまで、時間がかかります。
では、遺言執行者を選ぶにしても、どんな人に頼んだらいいのでしょうか。
確かに、遺言執行者の責任は重く、利害関係人の矢面に立つ場合もあり、
誰でもいいというわけにはいきません。
ただ、遺言執行者の仕事が遺言の内容の実現にあるわけですから、
遺言の内容によって、遺言執行の仕事の難しさは様々でしょう。
確かに、不動産を売却して、お金を分けるというものもあれば、
必要となれば訴訟を提起する必要もありますし、
誰かが、執行を妨害している場合は、それを排除するということもあります。
でも、今回の遺言者自身が住んでいたマイホームを遺贈するといった内容の遺言の遺言執行者は、
受贈者に登記の名義を変更する手続きをすることと、建物を引き渡したりといったところです。
こういった場合は、受贈者自身で十分に行えますね。
登記手続きの場面では、形式的ですが、共同申請の原則のままです。
受贈者が、登記義務者として印鑑証明書と遺言書を提出し、
登記権利者として住民票を提出して申請となります。
折角、遺言を書くなら、遺言執行者も決めておきたいものです。
司法書士佐井惠子
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