親族と後見人の役割分担 ☆成年後見vol.10⑤☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
任意後見契約のいいところは、ご本人が「損してもOKなこと」
成年後見法世界会議から帰ってきて、任意後見契約の存在意義を考えています。
私たちは、家族や友人、社会と関係しながら暮らしています。
暮らすとは、売ったり買ったり、貸したり借りたり・・・、
それだけではなく、お祝いをしたり、お布施をしたり、無料で貸したり、プレゼントをしたり・・・
ご本人の、誰かから守られるだけの存在でなく、
何かしてあげられるお父さんやお母さんでありたい気持ちは、
大切にしないといけないと思います。
それがご本人を尊重することに繋がるのではないかと思っています。
例えば、配偶者と兄弟が相続人で、兄弟のおひとりに成年後見人がついている場合。
マイホームが主たる遺産の相続にあっては、資産構成からくるリスクが非常に高い。
この場合、預金があればいいですが、兄弟の相続分に相当するお金を捻出できなければ、
マイホームを売って、お金で分けることになります。
兄弟に十分資産がある場合、その相続分を確保する必要が本当にあるのでしょうか?
そこが、法定後見人の限界でしょうか。
任意後見契約で、予めそんな場合は相続放棄してほしいと決めていれば、
残された配偶者は、住み慣れた家で暮らし続けることができることになります。
ご本人が、その点は損してもいい!お金を出してもいい!と、思えることを聞き出して、契約にしておくのが、
任意後見契約ならではの、その人らしく暮らすためのサポートではないでしょうか。
司法書士佐井惠子
http:sai-shihou.com