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相続放棄なら債権者も口出し無用 ☆遺言・相続vol.3⑩☆

2010年7月17日 公開 / 2011年4月10日更新

テーマ:相続

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き


みなさん、こんにちは。司法書士佐井惠子です。
父親が亡くなり相続することになったが、自分は借金が沢山で
遺産の家や土地を相続しても焼け石に水の状態である。
それなら、自分は何も相続しないで、他の相続人に相続してもらった方がいいと考えた。
一方、お金を貸した債権者は、いくらかでも相続をしてそれで弁済してほしいと考えた。

その場合、どういった方法があるでしょうか。

★相続人からのご相談なら、
遺産分割ではなく、面倒でも相続放棄をしておくことだと、私ならお薦めします。

★債権者の債権を回収する立場からのご相談を受けたなら・・・。
相続放棄には口出しできませんが、遺産分割をしているなら可能性はありますと。


相続放棄のような身分行為は他人の意思により強制されるべきではなく、
また、債務者の財産を積極的に減少させる行為ではないので、債権者は口出しできません。

一方、自分は何も相続しないという内容の遺産分割協議をするという方法もあり、簡単ですが、
債権者としては、
債務者が相続人になったと知った場合、大急ぎで相続登記に必要な書類を用意し、
裁判所に仮差押を求め、法定相続分によるお節介相続登記をして
債務者の持分に仮差押の登記を入れる。
そのあと、債務者等に交渉をして弁済を求め、
別の相続人が相続したと主張されたら、詐害行為取消権を行使して、
その遺産分割協議の取り消しを裁判所に求めることができます。

そういったわけで、あのような回答になった次第です。

司法書士佐井惠子

この記事を書いたプロ

佐井惠子

家族の問題(成年後見、相続、信託)の専門家

佐井惠子(佐井司法書士法人)

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