50代からの暮らし安心塾 クレオ大阪南 第1回報告 ☆遺言・相続vol.9⑲☆
みなさん、こんにちは。司法書士 佐井惠子です。
お亡くなりになった方が自筆証書遺言をのこしておられた場合、どうしたらいいでしょうか。
これを、勝手に開封してはいけません。
保管者または見つけた人は、亡くなられた方の住所地を管轄する家庭裁判所に、開封せずにその検認の請求をします。
郵送でもかまいません。
ところで、検認とは何でしょうか?聞き慣れない言葉ですね。
要は、裁判所で遺言書の変造・偽造・隠匿を防ぐと共に、確実に保存するための手続きです。
申立人が、相続人全員の住所・氏名・電話番号を明らかにして申立て、
期日に遺言書を家庭裁判所に持参します。
例えば、勝手に開封したり、遺言がなかったことにすると、5万円以下の過料に処せられます。
急いで銀行から出金がしたいとき、すぐに申立てができるでしょうか。
ご本人が、生まれてから亡くなるまでの間の戸籍謄本を全部揃え、
相続人全員の戸籍を集め、遺言書の写しを提出します。
裁判所は裁判所で、相続人に期日を連絡して・・・
つまり、なかなか時間がかかります。
自筆証書遺言は、ご本人が書いたものかどうか争われる場合が多く、またスピーディーな執行は難しいです。
主旨も単純なものでないと、内容が不完全になりがちで、
検認が終わっても、遺言書自体の効力が争われる可能性は残っています。
内容によっては、異論がでそうな場合もあるでしょう。
相続人間で問題が起きそうでない内容の時は、自筆証書もいいですが、
そうでない場合は、第三者を交えて公正証書遺言を作成しておく方が、後々苦労が少なくてすみますね。
検認の話から、またまた公正証書遺言をお薦めしてしまいました。
司法書士佐井惠子