面談の声掛けはこうする!~効果的な面談は「面談前」から始まっている

神野沙樹

神野沙樹

テーマ:いきいき会議のコツ(組織活性)



今日は、ある上司Tさんの相談を受けたニー。
Tさんの悩みは、「部下との面談時間を設けているのに、部下があまり話してくれない」ということだったニー。

どうすれば、価値のある面談時間を過ごせるかニー。

1.効果的な面談は「面談前」から始まっている

みなさんは、面談をするとき、部下にどのように声をかけていますか?

実は、効果的な面談にするためには、面談の時間中だけでなく「面談前」から気をつけるべきことがあります。

例えば、次のような声掛けをしてしまってはいませんか。

NGな声掛け例
「来週月曜日、15分ほど話したいんだけどいい?」
「半期に一度の面談をやらないといけないから、ちょっと時間もらえる?」


なぜ、この声掛けがダメなのか、見ていきましょう。

2.面談前の声掛けをするときに気を付けたい3つのポイント

声掛けをするときに気を付けたいポイントは次の3つです。

(1)何のための面談で、どんな内容を話すのかを明確にする

声を掛けるときは、「何のため(WHY)」と「どんな内容(WHAT)」かをしっかり伝えましょう。

例えば、次のような声掛けです。

「半期に一度の定期面談で、○○さんが最近感じていることや気になっていることをざっくばらんに聴きたい」
「ウチの部署での改善点をいま洗い出していて、○○さんが考える改善点を聴かせてほしい」


人は、目的と内容を言わずに「ちょっと話したい」「面談しよう」と言われると、「何言われるのだろう…」と感じてしまいます。

時間にシビアな方であれば、「貴重な時間を何のために使うのか」という方もいらっしゃいます。

ですから「ちょっと話が」ではなく、「○○のために、あなたの意見(気持ち)が聴きたい」と明確に伝えましょう。

(2)面談の実施時間は、相手(部下)に決めてもらう

面談の時間を決めるときは、一方的に「○日」や「来週月曜日」と決めるのではなく、なるべく相手に決めてもらうようにしましょう。
また、面談は何分ほど予定しているのかも伝えましょう。

例えば、次のような声掛けです。

「10~15日までの間で、30分ほど取れる時を教えてくれる?」
「今月末までの10~12時までの間で、20分ほど取れる時を教えてくれる?」


人は、「相手に決められたこと」ではなく「自分で選んだこと」や「決めたこと」の方が、能動的に動くことができます。

同じ時間を取るならば「言われたから話す」ではなく「自分の選んだ時間」という意識で臨んでもらいましょう。

また、設定するときは、「明日」や「明後日」という近い日ではなく、「1週間後」や「2週間」などゆとりをもった日を提示し、面談所用時間も必ず伝えておきましょう。
そうすることで、面談の心構えを持つことができます。

(3)上司自身が「自分発信」のメッセージで声をかける

面談の声掛けをするときは、「人事に言われたから」「部長の指示で」とやらされ感をだすのではなく、自分発信のメッセージにしましょう。

例えば、次のような声掛けです。

「新規プロジェクトに対する○○さんの意見を(私が)聴きたい」
「この半年、どんなことを感じて働いていたか(私が)聴きたい」


たまに、「部下と同じ目線だよ」と伝えたいがために「俺もいやなんだけど、上から言われたから面談しよう」という表現をされる方がいらっしゃいます。

しかし、それでは「上司も嫌々する面談」に付き合わされる部下はたまったものではありません。

たとえ、人事や上から言われた面談であっても、声掛けは「自分発信」で伝えるようにしましょう。

3.声掛けの効果は「部下の表情」と「面談開始5分間」でわかる

面談の声掛けをするときの3つのポイントを見てきました。

  1. 何のための面談で、どんな内容を話すのかを明確にする
  2. 面談の時間は、相手(部下)に決めてもらい、何分ほど予定しているかを伝える
  3. 上司自身が「やらされ感」をだすのではなく、「自分発信」のメッセージにする


これらのポイントを踏まえた声掛けをすると、面談場所にやってくる部下の表情が変わります。

また「面談開始後の5分間」の様子も変わってくるはずです。

つまり、声掛けをするのは、2つの目的があります。

1つは、安心して面談に来てもらうこと
もう1つは、心の準備をして面談に来てもらうこと


どんなに優秀な社員でも、忙しい時間に呼び出され、急に「あなたの意見を聴かせてほしい」といったところで、うわべの答えしか期待できません。

目的と内容、時間設定、上司の意気込みさえ伝われば、部下は真剣に捉えて来てくれるはずです。

つまり、面談が「呼び出される場」ではなく「話をしに行く場所」という認識に変わるかどうか。

それは声掛け次第で変えることができるというわけです。

これらの心理状態のもと、効果的な面談の流れ、質問事項を投げかけることができれば、面談の効果はさらに高まります。

4.まとめ

効果的な面談は、「面談前」から始まっています。

しかし、上司も忙しいもの。
何とかスケジュールをやりくりし、面談を「こなして」しまいがちです。

部下は、そんな上司の様子をよく観ています。

「無理やりする面談だったらやらなくてよいのに」
「忙しい中での面談、上司も大変だな。手短でいい」

こんな風に思う部下もいるはずです。

しかし、見方を変えると面談は「部下と二人でみっちり話し合うことができるチャンス」です。

貴重な時間を無駄にしないよう、声掛けから変えてみてはどうでしょうか。

そのほか、面談に使える質問スキルを参考にされたい方はこちらをご覧ください。
部下との面談、質問事項はどうする?目的別の質問サンプル付

参考になれば幸いです!
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神野沙樹
専門家

神野沙樹(社会保険労務士)

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

経営者様、社員のみなさん自身による「就業規則」や「評価制度」づくりをサポートする社会保険労務士。第三者の立場として「制度づくり+人づくり」を促し、真にイキイキとした職場づくりを提案します。

神野沙樹プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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