社内で実践!働き方改革の進め方(1)知る~3分で分かる「働き方改革」解説
プロジェクトの合間に「個別面談」が必要な理由・メリット
プロジェクトを毎月実施する中で、
必ずと言っていいほど「肝」になるもの、それが「個別面談」です。
プロジェクトでも顔を合わせているにもかかわらず、なぜ個別面談が必要なのか。
理由は2つあります。
1つは「発散する場」をつくるため。
人が行動を起こすのは「自分がそうした方が良いと思った時だけ」です。
さらに言えば、自分がそうした方が良いと思うのは、
「発散」を有効活用する方法でも触れたとおり、
自分の内に意見を秘めておくのではなく、しっかりと自分の意見を吐きだした後からです。
特に、個別面談という「安心安全な場」を確保した中で発散できる機会をつくることで、
普段なかなか言えないことを口に出してもらう(もらいやすくする)目的があります。
もう1つは「信頼関係」を築くため。
人は、自分の話を親身になって聴いてもらった時「認めてもらえている」と感じます。
例えば親子間や夫婦間で会話するときに「テレビを見ながら生返事をされる」のと
「顔を向けて目を見て返事をされる」のでは、話し手としては全く印象が違うと思います。
ある若手研修の中で、必ずいれるカリキュラムの一つに
「同期同志で悩みを共有する」というものがあります。
「解決しようとはしなくてよいです、ただ話を聴いてあげて、質問したり、
自分がどう感じたかなどを共有してください」とだけ伝えます。
すると、会話時間はたった10分間ですが、
自分の悩みを話した受講生は顔が明るくなり、一様に「スッキリした」と話します。
これは「相手に聞いてもらえた」という安心感から、承認欲求が満たされている状態だからです。
プロジェクトも同じで、途中で個別面談をして話を聴くことで
「あなたの話を聴いていますよ」「あなたの存在を認めていますよ」というメッセージになり、
互いに信頼関係を築くための促進につながります。
【動画セミナー】A4一枚の面談シートを活用して「面談をうまくいかせる進め方」はコチラ
個別面談を実施する時期・タイミング・話す内容、テーマは?
(1)プログラムの2割ほど進行した時がオススメ!
個別面談を実施するのは、プロジェクト全体の2割程度進行したタイミングが適しています。
例えば1年間のプロジェクトであれば、2から3ヶ月目というわけです。
個別面談を実施する意味は
「リーダーの想いを伝える」のではなく「メンバーの想いを聴くこと」です。
ですから、プロジェクト開始直後では「プロジェクトが何かもわかっていない状態」であり、
意見を求められても「特に…」ということがあるからです。
(2)最大限のオープンクエスチョンで
話す内容は、正直なところ、どんなことでも構いません。
・プロジェクト始まったけれど、正直なところあなたの気持ちはどう?
・3ヶ月前の自分と今の自分をくらべて、何か変わったところある?
・普段仕事をしていて、「いいところ」と「もっとこうなれば良いのにな」と思うところは?
など。
大切なことは、「聴く」ことです。そのために「相手に話してもらう」ことです。
ですから、質問は「オープンクエスチョン」
(答えがYes、Noで答えられないような質問)をしましょう。
「今言ったことって、◎◎ということ?」とこちらが答えを提示するのではなく
「今言ったことって、例えばどういうこと?」と聴く。
「プロジェクトをやっている意味がわからないって言ったけど、それはね」
と説明しはじめるのではなく
「プロジェクトをやっている意味がわからない?」とそのまま繰り返す。
すると、相手はどんどん話してくれるはずです。
(3)実施日・話す内容は前もって知らせておく
時期・面談する内容に関してもう一つ大切なことは
「この日に面談するよ」「だいたいこんな話をしようと思っているよ」ということは、
少なくとも1週間、できれば2週間前までには伝えておきましょう。
「今日やるよ!」というとあまりに唐突で心の準備が出来ていないだけでなく、
仕事を急に切り上げて面談を行うと、仕事が気になって集中できないことがあるからです。
何より、リーダー自身も「落ち着いた環境」で話してもらうことが大切だと思いますから!
【動画セミナー】A4一枚の面談シートを活用して「面談をうまくいかせる進め方」はコチラ
個別面談の時に、「ついつい」やってしまっている3つの失敗
「せっかく設定した個別面談だし、いい場にしよう!」その想いはとても大切ですが、
想いのあまりついつい「やってしまっていること」があります。
1 よい質問をして「相手の気持ちを引き出してあげよう、引っ張り上げてあげよう」とする
→無理やり引き出さなくても、「話そう」と思えば話し出すものです。
よい質問をしようという意識は大切ですが、
答えを急ぐと「リーダーの自己満足面談」になりかねません。
2 気づいたキーワードは後から活かさないと!とメモをたくさん取っている
→メモを書いている間、その場はどうなっていますか?メンバーはどんな表情ですか?
できる限り、メモは面談が終わってから書きましょう。面談中は「しっかりと観察」しましょう。
3 時間はきっちり守らないと!と思い、時計を気にする
→「時間を気にすること」はとても大切ですが、
チラチラ時計を見ると「忙しいのかな」「早く終わりたいのかな」と思うもの。
どうしても終わらないといけない時間があるのであれば、
時計を見るのではなく「タイマー」を鳴らしましょう。
列挙すると、「そんなわかりやすい失敗例はやっていない」と思われるかもしれませんが、
「ついつい」やってしまっていることが多いもの。
ぜひ、意識してみてくださいね。
【動画セミナー】A4一枚の面談シートを活用して「面談をうまくいかせる進め方」はコチラ
■まとめ
今回は、個別面談のときにリーダーが知っておきたいイロハを見てきました。
1 個別面談の必要性・メリット
2 個別面談を実施する時期・タイミング・話す内容、テーマ
3 ついついやってしまっている3つの失敗
冒頭でも触れたとおり、個別面談は唯一、一対一でじっくり話せる貴重な場です。
だからこそ、お互いにとって、プロジェクトにとって、
ひいては会社にとってよい場になるよう、工夫したいもの。
そのために「自分自身の心の在り方」はとても大切です。
自分自身が仕事でイライラしている時に面談をすると、
相手にもそのイライラオーラが伝わります。
自分自身がその部下に対して偏見を持っていると、
何を言ってもその偏見が邪魔をしてしまいます。
ここで触れたことを意識しながら、ご自身のこころを落ち着かせ、
「話を聴こう」というモードに切り替えてからぜひ臨んでみていただけたらなと思います。
次は、みなさんの会社、みなさんの職場で
「必要とされる行動」って何かというワークについて見ていきます。