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神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(かみのさき) / 社会保険労務士

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

コラム

「会社に対する不満」を有効に活用!あえて爆発させることで次に進めるたった1つの方法とは

2018年9月20日 公開 / 2021年2月26日更新

テーマ:いきいき会議のコツ(組織活性)

コラムカテゴリ:ビジネス

発散

前向きな模範的な意見に騙されないで!本当にその意見は本心?




会議やプロジェクトに集まる皆さんは、会社員です。
出来ることならば、居心地よく働きたいもの。

話し合いが始まった初めから
「反対意見を真っ向からぶつけてやる!」というケースは稀でしょう。

ですから、会議や新プロジェクト開始時に出てくる意見は、
肯定的意見、あるいは前向きな意見が多いことが多いです。

しかし、大切なことは「模範的で前向きな答えが出ること」ではなく、
「前向きな気持ちで取り組めているかどうか」です。

私どもがプロジェクトで関わらせていただく中でも、
後になって不満がたくさん出てきた、ということも少なくありません。

もちろん、プロジェクトとして話し合っていることは決して無駄にはなりません。
しかし、出来ることならば少しでも早いタイミングで
「前向きな気持ちで取り組んでいきたい」ものです。

そのために必要なこと、それは「発散」です。

ストレスは発散できるけど、意見を発散する方法とは




意見を発散するとはどういうことか。
それは「収束しない話し合いをする」ということです。

具体的には、「○○(その会議のテーマ)について、うまく行っていること、
課題と感じることは何か、どんな意見でもいいので話してみましょう」というお題を出します。

会議やミーティングをすると、
人はどうしても「この議論を収束させよう」と一つの答えを出そうとしたり、
意見をまとめようとする心理が働きます。

もちろん議論をする以上、答えを出さないといけない場合もあると思いますが、
あえて「まとめない話し合い」をするのです。

なぜかというと、「人は吐き出さないと、新しいことは入らないから」です。

少し話がそれますが、「呼吸」も「呼(息を吐く)」ことによって、
「吸(酸素を取り入れる)」ことができると言われています。
吸って吸って吸って…とずっと吸い続けることはできません。

話し合いもそれと同じです。
まず、自分の中にある意見、思い、不満を「出す」のです。

その1ステップを挟むことで、次からの議論が参加者の体に「入る」ことになります。
それでは、発散する議論の時の注意点を次の項目て見ていきましょう。

「発散する議論」をする時の3つのポイント




発散する議論をする時のポイントをみていきましょう。

◆ポイント1 意見に対して意見で返さない

出てきた意見に対して、意見を返してそこからさらに議論を広げていくと、
収拾がつかなくなり、他の人の意見が聞けなくなります。

意見に対して質問(意図を確認)していくことは問題ありませんが、
まずは「話してもらう」ことに主眼を置きましょう。

聴くときは、私もそう思いますと「同意」する必要はありません。
「そういう思いがあるのですね」と共感するだけで十分です。

◆ポイント2 「今日は発散する場である」ということを共有してから始める

前述の通り、人の心理として「議論を収束させよう」と思ってしまいがち。
なんとなく意見を述べるだけの会議に対して
「今日は何のための会議だったのか」と不安に感じる方もいらっしゃいます。

また、「なんでも言っていい」と言われても
本当に言ってしまって良いのだろうかと警戒する方もいらっしゃいます。

議論の冒頭に目標を共有する大切さについては、このコラムで述べましたが
(社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(2)目標の設定)、
「どんな意見でも良いので、思っていることをたくさん出すことを目標にしています」
ということを共有してからスタートしましょう。

◆ポイント3 不満が爆発しても動じない

議論に慣れていないと、不満がたくさん出てくると
「どうしよう…こんな不満がたくさん出てくるようでは、新プロジェクトなんて無理なのでは」
と感じることがあります。

また人によっては、「こんなに不満ばかり言って!けしからん!」
と憤りを感じることもあるでしょう。

私たちは「それでもいいんです」とお伝えします。むしろ「出てきてよかった!」と感じます。

なぜなら、その思いを隠し持ったままでは、上辺でしか議論ができないからです。
どんな意見が出てきてもポジティブに受け止めて大丈夫です。
「発散すること」が目的なのですから。

■まとめ


今回は、模範解答のような肯定的な意見だけではなく、
発散して心の中にある声を出す機会を作ろうということを書いてきました。

肯定的な意見を言っているのも自分。不満を持っているのも自分。
どちらも間違いなく自分が持っている意見です。

だからこそ、片方(よい意見・無難な意見)だけを出して議論に参加するというのでは、
前向きな気持ちで会議やミーティングに臨むのは難しいことは言うまでもありません。

発散するという工程を踏むことで、必ずその次の議論、
新しい話し合いが体に入っていくようになりますから、
自信を持ってやっていってくださいね。

この記事を書いたプロ

神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設))

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