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神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(かみのさき) / 社会保険労務士

株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)

コラム

社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(3)方法

2018年8月16日

テーマ:いきいき会議のコツ(組織活性)

コラムカテゴリ:ビジネス

会議 方法の共有

会議の目的地にたどり着くには、どんな方法で行きますか?




前回までのコラムでは、社内会議やプロジェクトミーティングをする際、
まず共有すべきなのは「目的・目標・方法」であり、
どのように目的を共有すべきかに触れてきました。
(リンク:社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(1)目的 ,
社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(2)目標

3つ目の今回は、「方法」について少し掘り下げてみていきたいと思います。

言い換えれば、提示したゴール地点(目標)まで、
どのような方法でたどり着くかという意味です。

例えば、ある日の休日。
家族で「今日は家から20キロ離れている公園に行こう」と決めたとします。

それでは、その公園まで、どのような手段で行くのでしょうか。

車?電車?自転車?マラソン?ハイキング?

たくさんの方法があります。
これらの手段のうち「何」を使って、
どのくらいの時間でたどり着くのかを共有しておかなければ、
「誰かが決めてくれるだろう」「誰かが進めてくれるだろう」と受け身になり、
ひどい場合には「誰かが声をかけるまで部屋に居よう」
という家族まで出てくるかもしれません。

実は会議やプロジェクトミーティングも同じです。

前述のように、目的・目標をせっかく共有しても、
方法を共有、あるいは参加者同士で合意していなければ、
結局「受動的な会議」にしかなりません。

それでは、「方法」について、
具体的にどんなことを共有しておけばよいのか、見ていきましょう。

目標地点が決まれば方法・手段は無限にある

     ~どのルートを通るか【進め方編】




会議・ミーティングの目標地点までたどり着く方法、
それらに「正解」はありません。
しかし、次のような内容をあらかじめ決め、
参加者同士で共有しておくと良いでしょう。

(1)話合いのスタイル(進め方の「型」)
話し合うテーマ・内容によって、色々なスタイルが考えられます。
以下に「型」を示しますので、みなさんがされる会議やミーティングは
どの「型」が適しているか検討してみてください
(1つではなく、色々な型を組み合わせてみてください)。

  提案型…はじめに「提案」をして、それに対して意見を述べるスタイル
  ブレスト型…あるテーマについて、制限を設けずたくさん意見を出すスタイル
  決定型…その場で一つの答えを出すことを目標に絞り込んでいくスタイル
  独立型…参加者一人ひとりが意見を言うスタイル
  バズ型…小さい単位(2人組・3人組)で話し合った後、全体で共有するスタイル

(2)進行役(ファシリテーター)は誰か
誰が議論を進めるかということを明確にすることで、
参加者は意見を述べやすくなります。

進行役を置かず参加者全員が好き勝手話すのは、
一見議論が活発に行われているように見えますが、
それはロープのついていない船と同じ。どこにたどり着くか分かりません。

進行役は意見を整理する人。
誰が整理する役割を担うのかをあらかじめ明確にしておきましょう。

進行役が荷が重いということでしたら、書記でもその任務を果たせます。
例えばホワイトボードの上に目的・目標を書き、
残りの空白スペースに、出た意見を書いていきます。

それだけで、参加者は常に目的・目標を意識しながら
自分達の意見が整理されていくのが目に見て分かります。


(3)ツール
どんなツールを使って話し合いを進めるかということも予め共有しておきましょう。
ツールとは、プロジェクター、ホワイトボード、模造紙やポストイット、
手元の資料あるいは何もなしなのかということ。

進行役の型にとってみれば「そんなことも共有しなくてはならないの?」
と感じることも、参加者目線に立つとその理由はわかるはず。
なぜなら、参加者はいつだって「闇の中」だからです。

弊社がセミナーを行いプロジェクターを使う時も、
冒頭に手元に配布している資料と
前のスクリーンに映している内容との関連性を必ずお伝えします。

例えば「全く同じもの」なのか、「少し違うもの」なのか、「全く違うもの」なのか。
また、「次のページを見てください」ではなく
「○ページをご覧ください」と具体的数字で伝えます。

話し合い中の迷子を減らすこと、
それがないように集中してもらうためのポイントだからです。

「いまどこの部分を話しているのだろう」と分からなくなって集中できない人、
「プロジェクターを見て、手元資料を見て、次はポストイット・・・」
その展開についていけない人も出てくるかもしれません。
それらの不安要素を少しでも減らすことで、議論に集中できるのです。

いつ終わるか分からない議論を一発で解決する方法




最後に、「いつこの会議は終わるんだろう」と
モヤモヤした気分で参加する会議とサヨナラするための、
とっておきの2つをお伝えしましょう。

(1)議題(アジェンダ)
とても簡単で効果絶大なのがこの「議題を明示すること」です。
この議題とは、限られた時間の中で「何を」「どんな順で」話すか、ということ。
議題と言わず、アジェンダと言われることもあります。

たくさんの会議、ミーティングあるいはセミナーやプレゼンテーションに
出席させていただいていますが、この「議題」がないことが非常に多いです。

なぜ議題を明示するだけで効果絶大かというと、
進行役以外の参加者は、全体像が見えていません。

いま、議論がどこまで進んでいるのか、
あとどのくらいあるのかを示すことで、人は安心するというわけです。

マラソンをしていて、スタートとゴール地点だけ知らされているより、
通過する地点を教えてもらっておいた方が安心して走れますよね。
それと同じです。

進行役の頭の中にある「議題(何をどんな順で話し合うか)」を
明示しておくだけで、議論が進行しますよ。

時々、「時間通りに議論が進まない時、あらかじめ議題を示しておくと
”(時間が延長しても)最後までやらなければ”という雰囲気になったり、
途中で切り上げた時に”中途半端で終わった”という印象を与えることになりませんか?」
という質問を受けます。

確かに「だいたいどのくらいの時間を見ておけば良いだろう」というのは、
進行役の方の算段に左右されます。

しかし、どうしても時間が読めない場合は、
「時間があれば最後まで行きますが、もし途中で時間が来るようならば、
議題4と議題5は次回に回します」と先に伝えておけば良いでしょう。

そうすることで、「自分たちの議論が活発に行われたので延期した」
と思うことができるからです。


(2)所要時間(終了予定時刻)・休憩の有無
会議を始める時「この会議は1時間で行います」と話したり、
何かをプレゼンする際に「私の考えを10分で話します」と、
あらかじめ時間を伝えることも大切です。

よく社内会議でありがちなのが、
「すべての議題が話し終わり次第、終了」というスタイル。

序盤は良いかもしれませんが、
1時間、2時間と経過するうちに、参加者心理はこう働きます。

「私がここで発表したら、また会議の時間が延びるかもしれない。
余計なことは言わないでおこう」。

そうなってしまえば、シャンシャンと会議をして終わり。
せっかく集まっている意味が無くなってしまいますよね。

ですから、あらかじめしっかりと時間を決めた上で、
会議や話し合いを行いましょう。

■まとめ


今回は、「方法」について見てきました。
目標地点にたどり着くための「手段」と言ってもいいかもしれません。

今一度みなさんの会議の始め方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

きっとすぐに解決・改善するはずですよ!

チェック1 話し合いのスタイルを示しているか
チェック2 進行役(あるいは書記役)は誰か決め、それを示しているか
チェック3 何のツールで進行するかを共有し、「話の迷子」を作らないようにしているか
チェック4 議題(アジェンダ)を予め共有しているか
チェック5 所要時間・終了予定時刻を共有しているか

この記事を書いたプロ

神野沙樹

「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士

神野沙樹(株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設))

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