社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(2)目標の設定
職位、勤続年数…どんな人をメンバーに選べば良いの?
プロジェクトメンバーの行く末を左右するといっても過言ではない「メンバー選定」。
社内でプロジェクトを立ち上げるときに、どんなメンバーを何人くらい選ぶと良いのでしょうか。
ここをチェック!メンバーの属性
まず「どんなメンバーを選べば良いか」というメンバーの属性についてみていきます。
※なお、ここでいう「プロジェクト」とは、人事に関するプロジェクト
(採用・評価制度・就業規則づくり・人材育成)での経験をもとにご紹介しておりますが、
他の分野でも共通する項目は多いですので、参考にされてみてください。
【チェック1】色々な属性の人がいること
プロジェクトチームは、役職(ただし役員クラスは除く)・職種・プロパ社員/中途社員、
性別など、色々な方がいた方がうまくいきます。
刑事もののドラマなどで「色々な人の寄せ集め部署」を作り、
意外とその部署が活躍するというストーリーがありますが、実は現実の世界でもいえることです。
人は、自分と似たような人と集まると「安心する」「居心地が良い」と感じるものですが、
それではプロジェクトはうまく行きません。
なぜなら、プロジェクトは「色々な立場の人と意見を交わすことで、
新たな意見、新たな道を発見するなかで、相互理解を計る目的がある」ためです。
プロジェクトは「成果」と同じくらいその「過程」が大切です。
充実した「過程」を辿るためには、同じような考え方の方ばかりではなく、
違う価値観・意見・仕事内容の方が意見をぶつけて議論することが重要です。
ですから、メンバー選びに迷った時は、
「あえて色々な立場の方を候補に挙げてみる」ことをオススメします。
【チェック2】「これから活躍してほしい」人材が入っているか
社内でプロジェクトを立ち上げる時、よく事情がわかる、
あるいは話し合いに慣れているリーダークラス(役職者など)をメンバーに選ぶことが多々あります。
当然、リーダークラスの方もメンバーに選んでいただいて構わないのですが、
1人や2人は、「いまはリーダーではないが、
今後活躍してほしい」と思う人材に入っていただくことをオススメします。
プロジェクトを立ち上げて一つの経営課題に立ち向かう時、
「いま自分がしている仕事」とは別の広い視点で会社をみる良い機会になります。
また、話し合いに慣れていない方も、場に慣れることで徐々に意見を言うことができるようになるため、
「その雰囲気を味わう」ということが貴重な経験となるからです。
【チェック3】 「隠れおせっかいさん」が入っているか
人事プロジェクトに向いているのは、「隠れおせっかいさん」。
隠れおせっかいとは、目立って「人の世話をします」という方でなく、
気づいたら人のサポートをしている、自分が前面に出るのではなく他人の言動に興味がある、
人と人との潤滑油のような役割をされている方。
例えば、営業職やエンジニアなど、全く人事と関係ないお仕事をされている中でも、
「人事(つまり、仲間の活躍を考える仕事)」をしてみるとピタッとはまる方もいらっしゃいます。
人には、それぞれお役目があります。
自分を前面に出して活躍される方もいらっしゃれば、
仲間がどうすればもっと生き生きと働けるかを考えることが得意な方もいらっしゃいます。
ぜひ御社の「隠れおせっかい屋さん」の方から、人事プロジェクトにぴったりの方を選んでみてくださいね。
社内プロジェクトの適正人数と欠かせないメンバー要素とは?
それでは次に、プロジェクトメンバーの適正人数と、
絶対に1人は居てほしい人材について見ていきましょう。
【チェック4】 「みんなで」話し合える人数は6人まで
ご存知でしょうか。
Amazonの会議のルールには「TwoPizzaTeam」という言葉があるそうです。
これは、プロジェクトは「ピザ2枚で足りる(5~6人、多くても10人)人数」でやることで
自律性を高めるというものです。
実は、弊社が行っているプロジェクトやお客様の会議に参加させていただいた、
その経験値からみても「適した人数は6人」という数字は共通しています。
社内プロジェクトを立ち上げた際、
一回のプロジェクトに充てられる時間はおそらく2~3時間が限界でしょう。
ポイントは、
「一人一人が意見を述べられる時間」と「自分が集中して話を聞くことができる時間」とのバランスです。
人数が多いとその分自分以外のメンバーの意見を聞く時間が多くなり、
どうしても注意力が落ちてしまう可能性が高くなるのです。
「心ここに在らず」の「傍観者」が出さないためにも、人数は6名までにするとよいでしょう。
どうしても7人以上になる場合は、例えば3人組で話をしてから全体で共有するという風に、
少人数の場を作るなどの工夫をして、意見を言う・意見を集中して聴く時間を作りましょう。
【チェック5】メンバーに1人は居てほしい「影響力のある人」
「影響力のある人」とは、一言で言えば「この人の言うことだったら聞こう、と思われている人」。
それは役職者などの職位を利用してではなく、他の社員から信頼を得ている人という意味合いです。
プロジェクトは、プロジェクトメンバーで行います。
しかし、そのプロジェクトが成功するかどうかは、プロジェクトメンバーが渦となり、
メンバー以外の他の社員をどれだけ影響を与えていけるかどうか、です。
決定事項や、話し合いたい内容をメンバー以外に下ろしたとき、
「この人の言うことならば聞いてみよう」と思ってもらえるかどうかはとても大切なこと。
そういう意味で、「信頼を得ている人」「人気者」がメンバーに入っているととても良いでしょう。
プロジェクトメンバーの選び方・任せ方
最後に、メンバーの選び方について見ていきましょう。
同じメンバーを選んだとしても、その選び方・任せ方によってプロジェクトの雰囲気はガラリと変わります。
【チェック6】 選定方法は、立候補制ではなく指名制が良い
社内プロジェクトというと、各自が手を上げて参加する、
つまり立候補制の方が良いのではないのか?と思われがちです。
確かに、自主性を重んじるという意味では立候補を募る方法も有効です。
しかし、なかなか難しいことも事実です。
なぜなら、人事に関するプロジェクトは「形・ゴールが見えないから」です。
例えば「各部署横断で働き方を考えるプロジェクトを立ち上げます」と
発表した時を想像してみてください。
果たしてどんな議論がなされるのか、自分はそこでどんな役回りをすれば良いのか、
すぐにイメージできる人は少ないのではないでしょうか。
プロジェクトは、新しいことを始めようとするときに立ち上げることが多いもの。
発足する経営者の中にはイメージはあるかもしれませんが、
それ以外の方の頭の中は「真っ白な状態」だということを肝に銘じておく必要があります。
ですから、無理して立候補制にするのではなく、
「この人こそは」という方をしっかりと選び、指名した方が良いスタートを切ることができます。
【チェック7】指名時は「2つの”なぜ”と熱い思い」を語る
メンバーを選び、いざその該当者にプロジェクトに参加してほしい旨伝えるとき、
どのようなことを伝えれば良いのでしょうか。
ポイントは「2つの”なぜ”と熱い思い」です。具体的には次の通り。
・なぜこのプロジェクトを立ち上げるのか
・なぜあなたを選んだのか、具体的にあなたのココを活かしてほしい
・プロジェクトにかける熱い想い
人が行動しようと思うのは、自分自身が「そうした方が良い」と思ったときだけです。
つまり、人から言われからではなく、人から言われたことにより「心が動いた」からです。
それでは、どうすれば「心が動く」のか。
それはたった一つ、「なぜ自分を指名してくれたのか」が理解できたとき。
いくら高尚な目的を持つプロジェクトであっても、
そこに「自分」がリンクされていなければ、心は動きません。
そのため、プロジェクトを立ち上げた目的、熱い想い、
「なぜあなたを選んだのか」をしっかりと語って伝えましょう。
そして最後に、必ず疑問点や不安点をじっくりと聞いてあげましょう。
そうすれば、第1回目の「顔合わせ」が良い雰囲気のもとスタートが切れること間違いなしです。
■まとめ
メンバーの選定は頭を悩ませるかもしれませんが、
社員一人ひとりをしっかりと見る良い機会でもあります。
単に「仕事ができるから」ではなく、その人個人の持ち味、個性を考え、
ここで述べた7つのチェックポイントを元に選任してみてくださいね。
チェック1 役職・職種・プロパ社員/中途社員、性別など、色々な立場の人が入っているか
チェック2 「この方はこれからぜひ活躍してほしい」という人材は入っているか
チェック3 「隠れおせっかい屋さん」が入っているか
チェック4 メンバーの人数は6名以下、または7名以上の場合は進め方の工夫を考えられているか
チェック5 社員から信頼されている「影響力のある人」はメンバーの中にいるか
チェック6 メンバーは立候補ではなく指名制で選任したか
チェック7 指名する際、「2つの”なぜ”と熱い思い」を話したか
■関連コラム:
社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(1)目的
社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(2)目標の設定
社内会議・プロジェクト開始時に共有すべき3つのこと(3)方法
参考になれば幸いです!
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