任意規定と強制規定。
信用の供与による契約誘引行為
事例
宅地建物取引業者Aは、分譲地の現地売出の広告を行い、広告を見て来場したBさんに対し、熱心に購入をすすめた。
Bさんは「お金も用意していないし、しばらく検討したい」と申し出たが、手付金100万円のうち、10万円だけ支払ってもらえればよいと説得し、Bさんから10万円授受し、残りの90万円は5日後に支払うことで契約を締結した。
後日、「やはり契約はやめたい」とBさんは申し出たが、業者Aは手付放棄による解除として残金の90万円の支払いを求めた。
手付金に関する禁止行為
宅地建物取引業法第47条第3号には、「手付について貸付その他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為」を禁止行為として定めています。
手付金の準備もできていない買受希望者に十分に考える時間を与えず、急がせて契約を締結させるとトラブルに発展する可能性が高くなるので、買主保護の観点から禁止行為として規制しているわけです。
具体的な契約誘引行為とは
①手付金を貸付け(立替え)て行う契約の締結行為
②手付金を後払いとして行う契約の締結行為
③手付金を分割して支払う契約の締結行為
などとなります。
また、①②③を買主が希望し、売主も承諾している旨の念書等を交わしていても、この規定は除外されません。
念書には何も意味がないことに注意が必要です。
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