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○事業用建物賃貸借契約 当事者の承継 契約上の対応 その②○

宮本裕文

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テーマ:契約の意味と意義

当事者の承継 その②


●その②

事業用建物賃貸借契約の場合、借主が法人であることが多く、法人について以下の状況が生じたときは、無償譲渡(民法)に該当するかどうか、賃貸借契約上どのように対応するかなどの問題が生ずる場合があります。

つづき、
④個人事業から会社組織に改めた場合

いわゆる「法人成り」により、借主が個人から別人格の法人に移った場合には、賃借権の譲渡となります。しかし、個人による事業から会社組織による事業に変わっても、使用の状況に変更がなければ、信頼関係の破壊とは認められない場合もあります。
仮に貸主が知らない間にそのようなことが生じたとしても、無断譲渡での解除は認められないとする裁判例もあります。

⑤合併

2つ以上の会社が契約によって1つの会社に統合された場合では、借主である会社が他社を吸収合併した場合は、契約関係には影響を及ぼしません。
それに対し、借主である会社が他社に吸収されたり、他社と合併して新たな会社を設立する場合には賃借権の譲渡に該当します。
しかし、そのことだけでは信頼関係の破壊とは認められないと思います。

⑥事業譲渡

会社の事業全部または賃貸借を含む重要な一部を譲渡すると、借主としての地位も譲渡されて移転します。
そこで、賃借権の譲渡となり、貸主に無断の場合は原則として解除の正当な事由とされることもありますが、譲受人(新借主)の営業内容が譲渡人(前借主)と同様であり、建物の使用状況が従前と異ならないなどの特別な事情がある場合には、信頼関係の破壊までは認められず解除権が拒否されることも考えられます。



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宮本裕文(宅地建物取引業者)

富商不動産販売

障がい者「心と体」に特化した賃貸住宅入居支援の専門店です。不動産コラムも随時更新中です。

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