貸主と借主の信頼関係の破綻と契約の解除。
当事者の承継
●事業用建物賃貸借の場合、借主が法人であることが多く、法人について以下の状況が生じたときには、無償譲渡に該当するかどうか、賃貸借契約上どのように対応するかなどの問題が生ずる場合があります。
①商号の変更
会社については、その名称が商号となります。その商号が変更されても、会社の法人格の同一性はかわるものでなく、契約関係に影響はありません。
従って、形式的に契約書等の書面の記載を新商号に変更すればよいとされています。
②代表者の変更
会社を対外的に代表するのは代表取締役等の代表者となります。その代表者が代わったとしても、原則的に契約関係にまで影響はありません。
ただし、一人会社のように実質的には個人営業と異ならない場合には、実質的に営業譲渡と同様の法律関係となる可能性がありそうです。
③会社組織の変更
会社の組織再編でも単なる組織変更であれば、法人格の同一性が失われるわけではないので、契約関係にまで影響はありません。
形式的に契約書等の書面の記載を新会社の組織形態に改めればよいとされています。
(例 ○○合名会社→○○株式会社)
●事業用建物賃貸借の場合、借主が法人であることが多く、法人について以下の状況が生じたときには、無償譲渡に該当するかどうか、賃貸借契約上どのように対応するかなどの問題が生ずる場合があります。
①個人事業から会社組織に改めた場合
いわゆる「法人成り」により、借主が個人から別人格の法人に移った場合には、賃借権の譲渡となります。しかし、個人による事業から会社組織による事業に変わっても、建物の使用状況に変更がなければ、信頼関係の破壊とはされない
場合もあります。
従って、形式的に契約書等の書面の記載を個人から法人名に変更すればよいとされています。
(仮に、貸主が知らない間にそのような事情が生じたとしても、無断譲渡解除は認められないとする裁判例もあります)
②事業譲渡
会社の事業全部または賃貸借を含む重要な一部を譲渡すると、事業と一体的に借主としての地位も譲渡されて移転します。
そこで、賃借権の譲渡となり、貸主に無断の場合は原則として解除事由となり得ますが、譲受人(新たな借主)の営業内容が譲渡人(前の借主)と同様であり、建物の使用状況が従前と異ならないなどの特段の事情がある場合には、
信頼関係が破壊されないとして、解除権が否定されることも多いと思います。
貸主の承諾さえあれば、形式的に契約書等の書面の記載を新たな借主名に変更すればよいとされています。
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