姿勢・肩腰膝の体調改善教室 第4回 ＠ 備前市国民健康保険
『正しい姿勢で集中力を高めよう！』講演会
小学校の学校保健委員会での講演。
前編ではよい姿勢を支えるためのからだの働きが身についていないから
声をかけただけでは持続しないということでした。
では、どうしたらいいかというと、簡単です。
よい姿勢を支えるためのからだの使い方を身につければいいのです。
このように説明すると、ほとんどの方は、「何をしたらいいですか？」と質問されます。
その答えは簡単ではありません。
姿勢が崩れている、姿勢が悪いという状態は、非常に深刻な状況が起こっていることを
表しています。
見えている状況は氷山の一角でしかありません。
水面下に起こっていることを含め、子どもの姿勢がなぜ悪くなったかということを
理解する必要があります。
姿勢が及ぼす影響で考えられるのは、肩こりや腰痛などの不定愁訴といわれる
あまり心地よくない状態です。
筋肉が過剰に緊張し続け、コリや痛みを感じたり、関節の動きに支障をきたし続けて
関節の変形を引きおこしたりします。
特に、成長期の子どもにとってこのような筋肉や関節の使い方は、
将来の骨格の並び方やその骨格での動き方に大きく影響してきます。
つまり、子どもの頃から偏ったからだの使い方や動き方を習慣化してしまうと、
その後のからだの使い方もそのようになる可能性があるということです。
いつも同じような姿勢で、可動範囲を少ししか使わなければ、
使えるものも使えなくなるのです。
よく動いている、スポーツをしている子どもの中には、偏った使い方によって
できることとできないことの差が大きくなっているケースもあります。
そのまま動くということは、からだはケガをしやすい状態といえるのです。
不定愁訴からケガ・骨折へとつながり、さらに日常生活に支障をきたしてきます。
筋肉や骨などの運動器の障害が起こりやすくなってきますね。
「ロコモティブ・シンドローム」と診断されるまでではなくても、
すでに「ロコモティブ・シンドローム」に向かって進んでいることが分かります。
これは中高年・高齢者の問題ではなくなってきているということを、
子どもに関わる大人は考える必要があるのです。
「メタボリック・シンドローム」は食事の摂り方の影響が大きいですが、
早食い・大食いは姿勢に表れているようです。
姿勢の崩れは身体活動量を低下させ、代謝効率が悪くなりますので、
これも中高年・高齢者の問題ではないのです。
小児（6歳～15歳）のメタボの診断基準値もあるわけですから。
姿勢の基本は、「赤ちゃんの時期」です。
この時期のからだの使い方がその後、大人になっても骨格や動きに影響を与えています。
赤ちゃんをやり直すことはできませんが、からだの使い方を再学習し、
今のからだで動きづくりをすることで、いくつになってもよい姿勢になれるのです。
学校全体で取り組むことで、学力や体力の向上につながります。
良い循環のきっかけが、子どもの無限大の可能性を
もっともっと引き出すことになるでしょう。
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