シニア世代孫育てセミナー 「赤ちゃんの発達」から学ぶ「おとなの姿勢」
岡山市立の小学校で1・2・3年合同の体育の授業で、
「姿勢が良くなる体操(アクティブ・コンディショニング)」を
先生と児童に体験していただきました。
この小学校では、休憩時間はほとんどの児童が運動場で遊ぶようです。
体力テストの記録は岡山市内の小学校の平均を常に上回るようで、
何かに秀でた児童が多数いるわけではなく、全員の運動能力が高いとのことです。
9月に行われた運動会では組体操を取り入れ、からだを使うことを積極的に
取り入れていました。
しかし、どこの小学校の先生もいわれるように、
ここでも「姿勢が悪い」ことが気になっていました。
1年生~6年生まで、教室での授業風景を見せていただいたところ、
やはり「姿勢が悪い」児童の姿がありました。
低学年よりも高学年になるにつれ、「姿勢が悪い」児童の割合が多くなっていました。
また、姿勢の悪さに比例して、からだの硬さ、柔軟性の低さも目立ってきます。
体育館で体育の授業の始めに、
「これから体操を行います。
この体操をすると姿勢がよくなってかけっこが速くなります!」
「え~~!!ほんと?!?!」
途端に子ども達の目がキラキラしました。
みんな、かけっこが速くなりたんですね。
どんな体操なんだろう・・という期待感が伝わってきました。
授業では児童自身にもからだの変化を感じてもらうように、
「姿勢が良くなる体操(アクティブ・コンディショニング)」の前後で、
いくつかの動きをしました。
当然、かけっこも。
「3年生から、黄色の線に並んで!」
というだけで、走りたくてウズウズする子ども達。
「用意!」で飛び出したり、ややフライング気味で走る子どももいましたが、
からだを動かしたくてしょうがないという気持ちがとても伝わってきました。
体育館の端から端まで走りましたが、まだ勢いが余っているようです。
スキップは前向きと後ろ向きで。
前向きでもリズムが取りにくそうな子どももいます。
特に後ろ向きは難しいですね。
スキップになっていなかったり、スピードに合わなくて尻持ちをつく子もいました。
「姿勢が良くなる体操(アクティブ・コンディショニング)」のあとに、
からだの変化を感じてもらうと、ほとんどの動きや姿勢が大きく変化していました。
目を閉じて足を揃えて立つと、ほとんどの人はフラフラ・ユラユラと揺れを感じます。
体操後は「フラフラしない!!」という声があちこちで。
体操座りを正しく座ると「きつい」と言っていたのに、体操後は「楽に座れる!!」。
姿勢の変化には校長先生も驚かれていました。
「背中がスッと伸びて、すごくいい姿勢になったね」と。
子ども達も褒めてもらえてうれしそうな表情でした。
先生方が一番驚かれたのは、後ろ向きのスキップでした。
できなかった子どもが軽やかにできるようになっていたのです。
「姿勢が良くなる体操(アクティブ・コンディショニング)」には、
スキップはありません。
あくまでも体操の前後の姿勢や動きの変化を感じるためだけに
スキップをしただけです。
前向きで行って、後ろ向きで戻るだけ。
できなかった子どもができるようになったことに驚かれるとともに、
先生はとてもうれしそうな笑顔で称賛の拍手をされていました。
きっと子ども達もできた喜びを感じていたことでしょう。
良い姿勢をつくるための体操をすると、動くための準備ができているのです。
つまり、姿勢づくりは動きづくりでもあるのです。
かけっこも速くなりました。
片足ジャンプも安定し「グラグラしない!!」と。
「姿勢が良くなる体操(アクティブ・コンディショニング)」
動くためのからだの基礎が作れるのです。
跳び箱が跳べないから跳び箱の練習ではなく、跳べるためのからだを作る。
逆上がりができないから足で地面を蹴ったり、鉄棒を引く練習ではなく、
逆上がりができるためのからだを作る。
すると、その運動や動作がしやすくなり、練習をしないのにできることもあります。
それが今回の後ろ向きスキップだったのです。
思うようにからだを動かすことができれば、
目的の動作を遂行することが可能になります。
運動や動作の練習を繰り返すのではなく、動きやすい体を作ること、
これが今の子ども達には必要になっています。
今後は体育の授業にも準備体操として取り入れていただけるようです。
これからの子ども達の姿勢や運動能力の変化が楽しみです。