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「インフレ」と知的財産

下田茂

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テーマ:知的財産

 今、世の中は様々な分野で値上げラッシュが続いており、インフレが問題になっています。
 インフレの原因になっているのが、「円安」と「供給不足」、つまり、原油や原材料の供給不足などによる値上がりと言われています。
 為替相場は、一定のトレンドで循環しており、1ドル=360円からの円高トレンドが2012年に終り、ここを転換点として、今は、円安トレンドに入っていると思っています。このため、よほど大きな出来事がない限り、「円安」は長期にわたって継続すると考えています。
 一方、ロシアによるウクライナ侵攻も既に二ケ月経ちましたが、現在の状況は、より酷くなっているように感じます。ロシアの野心からこの戦争は長期に続くと言われており、エネルギーや小麦などの「供給不足」も当分続くことが予想されます。
 ハイパーインフレやスタグフレーションなどの異常事態につながらないことを祈るのみです。
 他人に迷惑をかけることなくルールに則った人生を送ることが当然と思っている人にとっては、今、起きている戦争は、100年前にタイムスリップしたように感じていると思います。
 地域紛争はともかく、人間の行為とは思えない理不尽で古典的な国家間戦争は、スターウォーズのような悪が登場する映画の世界だけかと思っていましたが、まさか現実にこれほど大規模に起きるとは思いませんでした。
 子供たちの未来のことを考えれば、民主主義の原則が衰えないよう、個人的には、米国をはじめとした西側諸国に頑張ってほしいと願っています。
 さて、「インフレ」が続きそうであるとの話ですが、以前、コスト競争について「コスト競争の末路」をテーマにコラムを書いたことがあります。
 コスト競争は、仕入材料の選定や経費削減などが強いられるとともに、利益の低下を招き、結果的に、企業に大変な疲弊をもたらします。
 「インフレ」は、原材料費の値上がりが仕入材料の選定や経費削減などに関係し、最終的には商品やサービスの値上げにつながってきます。
 結局、現状の価格を如何に値上げせずに維持できるかの点で同様のコスト競争を生み出し、この競争に耐える場合のみ生き残れることになります。
 コスト競争に巻き込まれないためには、オリジナリティの自社商品を持ち、これを守るための知的財産権が必要になってきます。
 企業,個人事業者,新規のスタートアップ事業者など、「インフレ」時代を乗り切るための重要な「ツール」の一つとして、改めて、「特許」や「商標」等の「知的財産権」を見直してほしいと思います。

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専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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