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知財を活かす地元企業(1)

下田茂

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テーマ:地元企業

 令和時代が始まりました。どのような変化(進化)が待ち受けているのでしょうか。新たな気持ちでこの時代に臨みたいと思います。
 今回は、知財の活用により新時代に向けて頑張っておられる弊所のお客様をご紹介したいと思います。
 一回目は、「株式会社TOSCOM」です。同社は、レッグウェア関係のメーカーです。高い縫製技術を所有し、靴下などの一般的なレッグウェアのみならず、新しい商品も意欲的に開発しています。
 現在、新商品として、「シリコンサポーター“HOLZAC”」を製造販売してます。この商品は、数年前から販売を開始し、現在は年間6万足以上を売上げるとともに、今も順調に売上げを延ばしています。
 商品の概要は、写真のように、繊維を用いたサポーター本体の表面に、シリコンゴムのハニカムメッシュによる負荷パターンを塗布することにより、効果的な「3次元テーピング構造」を実現したものです。
 商品のキャッチコピーは、「締め付けないのに強力固定」、「薄地でムレない」、「筋肉や関節機能の働きをしっかりサポート」などとなっています。
 また、この商品は、繊維表面にシリコンゴムゴムを塗布する技術(ノウハウ)に強い会社とのコラボ商品になります。言い換えれば、レッグウェアの分野とシリコンゴム塗布技術の分野をマッチングさせたアライアンス戦略に基づく商品でもあります。
 一方、「知的財産」関係は、次のようになっています。
 既に、日本では、
  ・特  許 第6321136号
  ・意匠登録 第1554200号
  ・商標登録 第5806647号(HOLZAC)
の知的財産権が認められています。
 さらに、輸出も準備中であり、国際特許出願(PCT/JP2015/081259)は、現在、米国及び中国において審査段階に入っています。
 このように、この商品は、「技術(特許)」、「デザイン(意匠)」、「ネーミング(商標)」に関する全てが知的財産権によりガードされています。
 知的財産権により商品を保護することは、他社の権利に抵触するなどの不安を解消し、他社に対する優位性を確保することにより安定したビジネスを行うことができるメリットがあります。
 加えて、中小企業等の場合、知的財産権が認められることにより、信用力や技術力等の評価が高まるため、企業のイメージアップにつながるとともに、次の新商品の開発意欲や自信にもつながるなどのメリットもあり、様々な方向に派生させて活用することができます。

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下田茂
専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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