「母のことば」

長野淳子

長野淳子

テーマ:暮らしの中で

7年前、父が亡くなった時、母は 「体の半分が持っていかれたみたい」 と言いました。
いつもお互いに 「愛してるよ~!」 と声を掛け合っていた2人でしたから
父が逝ってしまったときの母のショックは、計り知れないものがありました。

母は父が亡くなったことを、ごく少数の身内にしか知らせませんでした。
ですから、父が亡くなったことを知らない方から、その後も父宛てに電話がよくきました。
その度に母は、父にかかってきた電話を、何も言わずに切っていました。
父が亡くなったことを口に出していう事が、その時の母にはできなかったのだろうと思います。

そんな母が、先日電話に出て こんなことを言っていました。

「主人は出掛けております。お盆の頃には、帰ってくると思います」

そして電話を切った後、母は父の写真に向かって
「私はじ~じの23回忌が済むまでは、そっちには行かないからヨロシクね!!」 と宣言しました。
更に 「その時お姉ちゃんは75歳、妹は70歳、ば~ばは103歳」 と言いながら大笑い。
この言葉に、私と妹も顔を見合わせて大笑いし、そしてなんだか少し ほっとしました。

「ことばには魂が宿る」 と言います。
きっと母は、元気で長生きをすることでしょう!!

今年もお盆。 もうじき父が返ってきます。



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言葉には話す人の思いが宿ります。「生きた言葉」を日頃から使って、物事を人生をいい結果に導きましょう。ステージ・アップは、司会・朗読・講演・講座など様々なシーンに合わせて「生きた言葉」をお届けします!!

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