職場の言葉で自分を責めてしまう前に|人間関係とメンタルを守るコミュニケーション


「上司のあの一言が、ずっと頭から離れない」「今日も自分を責めてしまった」

そんなふうに、職場での言葉のやり取りに疲れ果てて、私のところへ相談にいらっしゃる方が、本当に増えています。

同じ職場に長くいて、仕事には自信があるはずなのに、なぜか心がついていかない。上司が変わるたびに、これまでのやり方が通じなくなり、「自分のやり方は間違っているのでは」と不安が募る。気がつけば、退職という二文字が頭をよぎる。

実はこれ、人材育成の現場で長年お会いしてきた方々の中で、もっとも多いパターンのひとつです。今日はそのよくある失敗を一緒にほどきながら、職場の人間関係とメンタルを守るための具体的なコミュニケーションの取り方をお話しします。


自分が悪いのかもと思った瞬間に、視野は狭くなる

実は、こうしたご相談で私がいちばん最初にお伝えするのは、「あなたが悪いわけではないかもしれない」という一言です。

職場で言葉にチクッと刺されたとき、多くの人は反射的に「自分の対応が悪かったのかな」「もっとちゃんとやらないと」と考えます。真面目で責任感のある方ほど、その傾向が強いのです。けれども、自分を責める思考が一度走り出すと、頭の中の景色はどんどん狭くなっていきます。

私が大切にしているのは、「事実」と「感情」を切り分けて見る習慣です。たとえば上司に強い口調で指摘されたとき、事実は「指摘を受けた」というだけです。そこに「私は能力がない」「嫌われているのかもしれない」という解釈を加えてしまうのは、自分の感情の側です。

この切り分けができるようになると、心の重さが半分くらいに軽くなる方がいらっしゃいます。責めるべき対象が「自分の人格」から「ひとつの出来事」に変わるからです。

私は長年、企業の人材育成の現場で「中堅と呼ばれる方たち」を多く担当してきました。新人ではなく、ある程度仕事を覚えたからこそ、わかったつもりになっている方たちです。そういった方々ほど、何かうまくいかないことがあると、自分の人格そのものを否定する方向へ行きがちです。だからこそ、現実を一度きちんと見つめ直す時間が必要だと、私は感じています。

上司の異動で揺らぐのは、あなたの実力ではなく環境

「上司が異動するたびに、自分のやり方に自信が持てなくなる」。これも、本当によく伺うお悩みです。

新しい上司が来ると、判断基準が変わり、これまで評価されていたやり方が突然「要改善」になることがあります。長年その職場で頑張ってきた方ほど、「私のやり方は間違っていたのか」「これまでの評価は何だったのか」とショックを受けます。

けれども、ここで一度立ち止まって考えてみてほしいのです。変わったのは、あなたの実力でしょうか。それとも、評価する側の基準でしょうか。

上司一人ひとりに、得意な仕事の進め方や、重視するポイントの違いがあります。前の上司はスピード重視、新しい上司は丁寧さ重視といった具合に、求められるものが変わるのは珍しくありません。あなたの仕事の質そのものが下がったわけではありません。

私はこの状態を「環境変化のゆらぎ」と呼んでいます。環境変化のゆらぎとは、自分の能力ではなく評価軸の変化によって生じる、一時的な自信喪失のことです。

ゆらぎを感じたときに必要なのは、自分を責めることではなく、新しい上司の価値観を観察することです。何を喜び、何に厳しいか。それがわかれば、すり合わせは必ずできます。

辞めたくなる前にやってほしい、たった一つのこと

「もう辞めたい」という気持ちが頭をよぎったとき、私が必ずおすすめしているのが、上司との個別の対話の時間を持つことです。

ここで多くの方が誤解されているのが、「忙しそうな上司に話しかけるのは迷惑」という思い込みです。しかし、現場で見ていると、相談されたほうも実は救われていることが多いのです。「あの人、最近様子が違うな」と感じていても、上司の側から声をかけるのは案外難しいものです。

ただし、タイミングはとても大切です。自分がいっぱいいっぱいになっているときに話そうとすると、感情が先走ってしまい、伝えたいことが伝わらないどころか、逆にこじれてしまうこともあります。

私がおすすめしているのは、上司の業務がひと段落する午後の時間帯や、週の後半など、相手の余裕がありそうなタイミングを狙うことです。「五分だけお時間いただけますか」と前置きしてから入ると、お互いに構えずに話せます。

そして話す内容は、「困っていること」よりも「確認したいこと」から始めると、空気が柔らかくなります。「最近のやり方で、改善したほうがいい点があれば教えてください」。この一言だけで、関係性は驚くほど変わります。

私が研修現場でお会いしてきた方の中にも、「上司に相談する」というたった一歩が踏み出せず、半年も一人で抱え込んでいた方がいらっしゃいました。思い切って話してみたら、上司は「もっと早く言ってほしかった」と返してくれた。そんなケースは決して珍しくありません。

ネガティブな思考のクセを、時代に合わせて手放す

もう一つ、職場でメンタルが揺らいだときに見直してほしいのが、自分の思考のクセです。

私は長年、企業の人材育成の現場で、本当に多くのビジネスパーソンとお会いしてきました。ソフトバンク、自衛隊仙台病院、宮城県社会福祉協議会、新潟県建設業協会など、業種も役職もさまざまです。その中で気づいたのは、「真面目で頑張る人ほど、ネガティブ思考に飲み込まれやすい」ということでした。

頑張ってきた人ほど、「もっとできるはず」「期待に応えなきゃ」というハードルを自分に課しがちです。けれども、そのハードルが時代の変化に合わなくなっているケースが、いま、とても増えているのです。

かつての職場では「察する力」「我慢する力」が評価されました。しかし、これからの時代に必要なのは、自分の状態を言葉にして共有する力です。「いま、これに困っています」「ここまでは進められそうです」と伝えられること。これは弱さではなく、立派な仕事のスキルです。

私の『ハート栽培』では、こうした思考のクセをほどく時間を、一人ひとりの方とじっくり過ごしています。鏡を見るように自分と向き合う。そこから、心は少しずつ栽培されていくのです。

私自身、株式会社ワールドで16年間勤め、社内で初めて女性の管理職に抜擢されたとき、本当に苦しい時期がありました。男性と対等に張り合おうとして、知らず知らず自分にも周りにも厳しくなっていたのです。けれども、ある日「張り合うのではなく、共存することが大事だ」と気づいてから、仕事は驚くほどスムーズになりました。

職場でメンタルがダウンしたとき、「自分が悪い」と責める前に、ほんの少しだけ視点を変えてみてください。あなたが頑張ってきた事実は、決して消えません。マイナスをプラスに変える力は、誰の中にも眠っています。

・職場の言葉で気持ちが落ち込み、自分を責めてしまった
・上司との関係性に悩み、辞めたい気持ちが頭をよぎった
・ネガティブな思考のクセを見直したいと感じている


このようなことでお困りの場合は、ハート栽培まで、まずはお気軽にご相談ください。

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村山るり子プロは河北新報社が厳正なる審査をした登録専門家です

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