高速道路での交通事故の危険性

笠中晴司

笠中晴司

テーマ:時事ネタ「交通事故」

ゴールデンウイークを前に,高速道路の危険性につき,4/26の某テレビ番組での説明がとてもわかりやすかったので,ご紹介します。

そのテレビ番組が説明では

「人間の脳は,視界中心部の処理(詳細に鮮明に見る)と視界周辺部の処理(ボヤっと見て,動くものにだけ注意する)を分けて行っている。(その理由は,すべての視界を詳細に処理しようとすると,脳の処理能力を超えてしまうから)」

「高速道路では,通常ではありえない(人類が時速80キロ以上で移動することは,古来考えなれなかった)ほどの高速の処理(特に視界周辺部)が続き,人間の脳は処理しきれない。」

「結果,脳は,周辺部の処理を諦め,視界中心部の処理のみを行うようになる。」

「そのようにして,視界中心部の処理だけを行い続けると,今度は先行車両のみ注視することになる。
そして,その時の映像は,実際は高速移動しているにもかかわらず,静止画像に近いような状態になってしまう。」

「となると,今度は,人間の脳は,『静止している』と誤解してしまい,覚醒度がどんどん低下していく。
そして,1時間程度,そのような状態が続くと,寝る直前くらいの覚醒度まで低下してしまう(簡単にいうと,寝る直前くらいボーっとしてしまう)。」

「結果として,反応が鈍くなり,事故を起こしやすくなる」

ということでした。

私の高速道路上での運転時の経験からしても,上の説明はとても理解しやすいものでした。

そして,その番組は,その対処法として,次のことを勧めていました。

「脳の上記対応は,『本能』であるので,変えることはできない」

「とすれば,事故を防ぐ方法としては,車間距離をできるだけ空けて,対応できる時間を作るしかない」

「ただ,車間距離は,運転者自身が考えているより,ほとんどの場合,とれていないことが多い」

「車間距離をきちんととるには,『4秒ルール』がとても有効である」

「『4秒ルール』とは,先行車両と同じ地点を通過する時の時間間隔を4秒置くということである」

これも非常に良いアドバイスと思います。

つまり,時速80キロで走行している場合,1秒に進む距離は,約22.2m(80キロ×1000/3600秒)です。

4秒の時間差があるということは,88.9mの間隔がとれるということです。

88.9mの間隔があれば,事故を回避できる可能性が高まることは当然です。

なお,この「4秒ルール」は,「高速道路のみならず,一般道でもとても有効」ということも,番組では紹介していました。

ぜひ,皆さんも,「4秒ルール」を実践してみてください。

また,もうひとつの対処法として,運転開始後1時間で休息をとることを(理由は上記説明のとおり)勧めていましたので,それもぜひ,実践ください。

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笠中晴司
専門家

笠中晴司(弁護士)

丹波橋法律事務所

大学卒業後,民間企業(地元銀行)で10年間勤務。その後,志をもって弁護士を目指し,弁護士になってから丸17年の経験を積みました。経験に基づく,バランス感覚は,他の弁護士より優れていると自負しています。

笠中晴司プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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