高齢者の交通事故(2)

笠中晴司

笠中晴司

テーマ:時事ネタ「交通事故」

本日(2017.1.20)の読売新聞朝刊に高齢ドライバーに関する記事が載っていました(読売オンラインでも閲覧可能)。

その記事の概略は以下のとおりです。(カッコ内は,私の追加部分)

警察の調査では,2015年現在の75歳以上の高齢ドライバーは483万人。
そのうち,2015年に免許更新された方は160万人(3年に1度でしたら,全ドライバーの3分の1になるのでしょう)。

75歳以上が免許更新の際に受けられている認知機能検査の結果

1 認知症のおそれ        5万4000人(3.3%)
2 認知機能低下のおそれ   50万人(30.8%)
3 問題なし          107万人(65.9%)

さらに,年齢別に詳しくみると,84歳の年齢からは,50%以上の方が,上記1及び2に該当する。

以上,引用終わり

また,記事には,高齢ドライバーについては,「赤信号に気づかずに信号無視をしてしまったことがある」など,一歩間違えば,交通事故に直結するような経験がある方が多いなどとも紹介されていました。

交通事故は,一瞬の判断が事故につながるものと言えます。

とすると,上記結果が事実とすれば,上記1及び2のような「危険性の高い」と言ってもよいドライバーが,かなりの数,運転をしているということになりそうです(但し,高齢ドライバー以外にも危険なドライバーがいること,そして,高齢ドライバーの方が,他の層と比べて,運転頻度がどの程度異なるかは別問題です。高齢の方の中には,身分証明書として免許証を利用するために免許を更新されているという方もいらっしゃると思います。)。

そして,上のカッコ書きを考慮せず,ごく単純に計算すると,上記1及び2に該当する方が約55万人ということは,京都府(人口で割ると,日本全体の約50分の1です)下でも,約1万人の方が該当することになります。

ただ,一方で,「とくに上記1及び2にあたるような高齢ドライバーだから,免許取り上げしてもよい」という訳にはいかないことも事実でしょうから,これからは,自衛のために,「赤信号でも出てくる車もありうる」くらいの注意をもって,運転するのがよいということになるかもしれません。

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笠中晴司
専門家

笠中晴司(弁護士)

丹波橋法律事務所

大学卒業後,民間企業(地元銀行)で10年間勤務。その後,志をもって弁護士を目指し,弁護士になってから丸17年の経験を積みました。経験に基づく,バランス感覚は,他の弁護士より優れていると自負しています。

笠中晴司プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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