凄い。。。弁護士(1) ~私の考え~
1 示談成立までの交渉経過
9月25日に治療を終了し,その旨は,すぐに相手方保険会社に通知しました。
その後,9月25日までの治療費の支払いがありますので,それを保険会社が支払い,通院の内容を確認してからの示談提示となるのは,もちろん仕事柄わかっています。
すなわち,病院への治療費支払いは,多くの場合,月末くらいの締め,翌月10日前後の請求という形が常ですので,たとえば,9月25日に治療が終了しても,保険会社の病院への支払が完了するのが,10月10日前後となります。
そこから,示談案を保険会社で検討して,実際に被害者に対し,提示がされるという流れです。
私の場合,示談の提示が来たのは,10月下旬でした。
前回の回でご説明したように,私の場合,争点は,慰謝料の金額だけでした。
私の気持ち的には,「治療で時間をとられているので,その分の時給換算的な休業損害が認められてもよいはずだ」という思いはありましたが,「実際の減収がないとなかなか裁判では認められない」こともわかっていますので,あえて,それは問題にしませんでした。
2 具体的な示談提示からの流れ
相手方保険会社からの示談提示額は,自賠責保険の基準から少し上乗せした程度,つまり,前回ご説明した慰謝料の4つの基準からすれば,②(弁護士がつく前の保険会社基準)と思われる金額でした。
私は,この時点では,他の弁護士に私の損害賠償交渉につき,委任していたわけではありません。
ですので,②の基準で出してきたのかもしれません。
ただ,私が弁護士であることは,相手方保険会社も知っています。
にもかかわらず,②の基準で出してきたのが,私にとってはある意味「意外」でした。
つまり,「弁護士である私は,慰謝料の4つの基準につき,熟知しているのを知っている」にもかかわらず,「低い基準で出してくる」,相手方保険会社の感覚が,よく理解できなかったのです。
もちろん,相手方保険会社の立場からすれば,「弁護士だからって,特別扱いはしない。よって,最初はマニュアルに沿って,提示する。」という考え方であり,それはひとつの考え方なのかもしれません。
しかし,「その提示をした後,相手の弁護士である私がどういう対応をするのかを考えていない」か「相手の対応に対する配慮が薄い」ことは,確かだと思います。
その提示を受けた時,私は,「自分の契約している保険の弁護士費用特約を使って,弁護士に委任をしたうえで,裁判までしようかな」と一瞬考えました。
そうなれば,慰謝料の金額は,4つの基準の④(裁判基準)となり,私がもらえる金額は増えます。
また,私が,他の弁護士に委任すれば,その弁護士の仕事ができ,その弁護士も報酬が得られます。
一方,相手方保険会社と私の契約する保険会社は同じ会社でしたので,その保険会社からすれば,「私に対する賠償金の支払い」だけでなく,「私の依頼した弁護士に対する報酬」,さらには「私が依頼した弁護士が起こす裁判に対応するため,相手方保険会社がつける弁護士の報酬」,と,実際に私に支払う賠償金のほかに,さらにその金額の2倍程度の費用が発生することになり,負担が大きくなります。
でも,結局それは辞め(その気持ちは次回書きます),「最初に出てきた提示額に2割程度上乗せした金額であれば,示談をする」と相手方保険会社に伝え,後日,相手方保険会社も,「それを受け入れる」ということになり,示談が成立することとなりました。
3 示談成立の最後の手続
相手方保険会社と金額で合意し,保険会社から免責証書(損害賠償に関する承諾書)が送付されてきました。
それに署名・捺印し,相手方保険会社に返送して(11月6日),それで示談は成立です。
そして,数日後,私が指定した口座に入金があり,この事件はすべて完了となりました。
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