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笠中晴司

交通事故のトラブルを解決に導く法律のプロ

笠中晴司(かさなかせいじ) / 弁護士

丹波橋法律事務所

コラム

凄い。。。弁護士(1) ~私の考え~

2013年4月4日 公開 / 2017年3月3日更新

テーマ:個人ネタ

コラムカテゴリ:法律関連

「凄い弁護士」てどんな弁護士でしょうか。

「勝訴率100%の弁護士」
 ほとんどの弁護士は,依頼者がきちんと証拠を出してさえくれれば,その事件が,「間違いなく勝てる事件」か,「ほぼ勝てる事件」か,「流れによっては勝てる事件」か,あるいは,「厳しい事件」か,程度は判断できます。
 
 よって,依頼者が出される証拠を見て,「間違いなく勝てる事件」だけ受任していけば,「勝訴率100%」を実現することはそれほど困難なことはありません(勝訴が間違いない事件だけ受任して,弁護士が事務所経営が可能かどうかは別として)。

 ですので,「勝訴率100%の弁護士」は,私は,それほど「凄い弁護士」とは思いません。

「依頼者の満足率100%の弁護士」
 依頼者の方の思いは,非常に強い場合が多いです。
 また,裁判では,主に金銭的評価が問題となりますが,どうしても,金銭を要求する方の評価は高くなりがちで,一方,金銭を支払う方の評価は低くなります(物を売り買いするときに,買う方は「もう少しまけて」と言い,売る方は「もう少し高くして」といい,結局,その間で交渉が成立する場合が多いのと同様です)。

 よって,依頼者の当初考えられていたとおりの結果(金額等)が,裁判等の結果100%満足させられるかとどうかと言うと,すべてがそのようにいかない,というより,多くの場合は,100%満足ということはないといったほうが正確です。

 ですので,「依頼者の満足率100%」ということを謳う弁護士等は私はあまり信用しません。

「依頼者の納得率100%の弁護士」
 弁護士事務所に相談に来られる方というのは,自身(またはその周り)に解決をしないといけない紛争を抱えている方ということになります。
 とすると,弁護士に期待される仕事は,まずは,その紛争を解決(終結)の方向に持っていくことかと思います。

 しかし,弁護士に依頼して,一応の解決(終結)を迎えた時,先ほど言った「100%満足の結果」に至る方は,正直に言って,少数だと思います。

 そこで,私が,「凄い弁護士」と思うのは,「勝訴,敗訴,また,勝訴した割合にかかわらず,最終的に事件の区切りがついた時に,依頼者に納得してもらえる弁護士」です。
 
 では,依頼者はどのような場合に納得されるのでしょうか。

 詳細な事件の検討,見通しの正確さ,事件経過の詳細な説明,的確な主張と立証方針の作成,そして十分なコミュニケーション。。。などなど

 これらがうまく行っていれば,たとえ「敗訴」あるいは,「十分な勝訴」でなかったとしても,依頼者は「満足」はされなくても,「納得」はされると考えています。

 そんな「凄い弁護士」になれるよう,日々,研さんしていきたいというのが,私のプロ意識です。


この記事を書いたプロ

笠中晴司

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笠中晴司(丹波橋法律事務所)

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