柔らかくて幅広の靴が欲しい・・・
足裏の指の付け根に痛みや痺れが生じるとか、角質やタコや魚の目が出来るなどのトラブルの原因の多くが「足の横アーチ」という親指のつけ根と小指の付け根を結ぶ線上に形成されていたアーチ構造が扁平になって足の横幅が広がる「開張足」により、足指の付け根の骨(中足骨骨頭)が靴底や床に押し付けられ続ける事にあります。
「足の横アーチ」は土踏まずと呼ばれる「足の内側の縦アーチ」と同じように、アーチ構造が伸び縮みして足裏に掛かる荷重や地面からの衝撃を吸収分散する板バネのようなクッションとしての役割を担っています。
ですから、「足の横アーチ」が扁平になって「開張足」になり、クッションとしての機能が低下すると、足指の付け根の骨に過度な負担が掛かるようになって、「中足骨骨頭部痛」という足裏の指の付け根周辺の痛みや皮膚の角質化によるタコや魚の目が形成されるというトラブルに繋がるのです。
「足の横アーチ」は足指が踏ん張る筋力によって維持形成されていますが、その筋力が低下するとアーチ構造を維持する事が出来なくなって扁平になり「開張足」になってしまうのです。
そして、「足の横アーチ」を維持する筋力は多くの場合、靴や靴の履き方や歩き方などの生活習慣の影響で低下してしまうのです。
かつての日本人は足指が解放される履物を履き、家の中では素足で過ごす事が多いという生活をしていました。
旅に出るときは足袋と草鞋を組み合わせて足首を紐で締め、指先を開放する履物を履いて歩いていました。
ご近所履きと長時間歩く場合とで履物をきちんと履き分けていたのですね・・・。
日本は家の中の居間に上がる時には履き物を脱ぎ、土間や近所で用を足すときにはサッサと突っ掛けて脱ぎ履き出来る鼻緒の付いた履物を履いていたため、靴紐を結ぶ習慣は馴染まないから面倒に感じるのだという意見を聞くことがありますが、一方で草鞋を脱ぎ履きするのにはそれなりの手間が掛かるわけで、助さん格さんと共に諸国を漫遊した黄門様は面倒だと思っていたのでしょうか?
旅籠に入ると草鞋を脱ぎ、足袋を脱ぎ、足桶で足を綺麗に洗ってから上がっていたのですから、随分と丁寧な習慣を身に付けていたものですね・・・。
何が言いたいのかというと、私たちの靴の履き方の習慣を私たちの伝統の生活習慣を振り返ったうえで、もう一度見直す必要があると思うのです。
つづく
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