コラム
消費刺激策?
2016年4月8日 公開 / 2016年4月9日更新
日本経済新聞によると、政府と経団連が全国の百貨店や商店街に「大規模セール」の実施を呼びかけて、国を挙げての「消費刺激策」を準備しているのだと報じています。
どうやら米国のクリスマスまでを含む大型売り出し期間のスタートとなる11月の感謝祭翌日の金曜日に始まる「ブラックフライデー」という大型セールを真似て、低迷する個人消費の起爆剤とするのが目的のようです。
「とうとう政府がセールを企画するようになったのか。」と唖然としてしまいましたが、それほど個人消費の低迷が酷いのでしょうか・・・?
一方、日本レコード協会の調査によると、スマートフォンの普及と共に各種の定額制音楽配信という手軽に音楽を楽しめるサービスが普及しているにもかかわらず、音楽離れが進んでいるという調査結果が出ているようです。
少しづつ音楽に対価を払う層が減り、音楽そのものに無関心の層が増えているのだそうです。
私の中では、物が過剰に溢れかえって「本当に買いたい物が少ない」という状況と音楽が聴き放題だけど「本当に聞きたい音楽が少ない」という状況が重なり合ってしまいます。
セールで値段を下げて購買意欲を刺激することが本当に消費を回復することに繋がるのでしょうか?
セール前後の買い控えやセールの値段が当たり前になり、返って価格競争を呼んでデフレに向かう恐れはないのでしょうか?
給与が伸び悩み、格差が拡がり、将来への不安が大きくなるから消費や娯楽に対する意欲が低迷していると思うのですが、ただ単に大型セールを仕掛けても、その場しのぎで年間消費はそんなに伸びなかったという結果にはならないのでしょうか?
私にはどうしても付け焼刃的な発想としか思えないのですが・・・。
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