限りある中での限りなき競争

小黒健二

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テーマ:ニュース雑感

格差の是正や仕事を求める人々の波が米国の金融街・ウォールストリートから世界中の街へと広がっている。

かつて世界を震撼させたリーマンブラザースの破綻が残した傷口も癒えぬまま、米国の政府債務(借金)は膨らみ続けている。
ギリシャの政府債務(借金)危機が欧州全体の経済的危機から世界経済全体の危機へと波及する懸念が広がっている。
イタリアやスペインの政府債務(借金)危機も取りざたされる中、日本の財政危機(借金問題)も深刻な状況が続いている。
こうして見てみると、世界の多くの国が国家的借金で苦しんでいるようだ。

借金しても返済できれば問題は起こらない。
しかし、返済不可能な国家的債務が起こりつつある現実が世界を恐怖に陥れている。
我が国も、このままでは返済不可能な国家的債務を抱えてしまうかもしれない。

グローバリズムと呼ばれる国境無き市場経済が見せつけた現実は、「限りある中での限りなき競争」ではないだろうか?
限りなく大きな価値を求め続ける市場経済の本質が、限りある市場の奪い合いを競争原理という名の下に繰り広げるという現実・・・。
乱暴な言い方をすれば、かつては武力衝突によって奪い合った市場を平和的かつ合理的であるかのように見える競争(市場経済原理主義)に置き換えただけではないのか?・・・。
もちろん、競争自体は切磋琢磨を促し、向上心を掻き立てる重要な要素ではあるが、市場での競争は勝者が敗者を飲み込んでしまい、勝者だけになってしまうところが恐ろしいことのように思う。

新興国の市場発展に新しい市場開拓のチャンスを見つけ、市場を興し物や価値を売っていく・・・。
先進国では市場が飽和状態になり、劇的に生活を変えるものや価値でないと物が売れなくなってくる・・・。
今までの経験や法則が通用しやすい新興国の市場に投資が向かっていく・・・。
けれどもやがてその新興国の市場も発展し飽和状態になった先には何が待っているのか・・・?
考えると価値観の大転換が必要な気がしてくる・・・。

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/

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