放射性物質はどこにどれだけ飛散したのか分からないという事実

小黒健二

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テーマ:ニュース雑感

「横浜市港北区のマンション屋上で、放射性物質のストロンチウムが検出されたことが、民間分析機関の調査で分かった。」
「東京都世田谷区弦巻5丁目の区道を区が調べたところ、歩道の1地点で毎時2.707マイクロシーベルトの放射線量が測定された。」
「東京・世田谷区の区道の一部から高い放射線量が検出されたことを受けて、世田谷区が13日、専門の業者に委託して改めて現場の線量の測定を行った結果、区道に隣接する住宅の塀の近くで1時間当たり最大で3.35マイクロシーベルトというこれまでより高い値が出ました。」
各社報道記事より
(追記)世田谷の放射線は床下に置かれていたビンが原因と判明したようです。
福島第一原発とは因果関係がないようで一安心ですが、いったい放射線量の高いビンの中身は何なのでしょうか? 疑問が残りますね・・・。

昨日から今朝にかけて、横浜と東京で高い放射線量が検出されたことが相次いで報道されています。
問題なのは、いずれも発端が民間人の放射線測定で明らかになったという経緯にあります。
この事は、私達の住む周りの環境に、もしも高い放射線量を発するホットスポットがあったとしても、自分達で測定しない限りは明らかにならないという事実を示しています。

福島第一原子力発電所の事故が原因であるとするならば、かれこれ7ヶ月を経過した後の高放射線量の検出であり、東京都世田谷区で計測された放射線量は、福島県の飯舘村で計測された線量に匹敵するほど高い値でした。
高放射線量を発するホットスポットと呼ばれる地点が、どれくらい広範囲に渡って、どれだけ存在するのかは、まったく分かっていません。
分かっていないのは、そもそも測定していないからであり、このような事態を想定していなかったからに他なりません。

私達の周りの環境の中に潜んでいるかもしれないホットスポットの存在。
しかし、その存在は私達自身が調べる以外に明らかにする方法はないようです・・・。
東北の被災地の方々の日々は、こうした放射線量の問題もさることながら、生活再建や住居、コミュニティの崩壊など、基本的な生活にかかわることがさらに大きく圧し掛かっているわけですから、想像を絶する苦難の連続だと思います。
そう考えれば、私達市民の手でホットスポットの存在を明らかにしつつ問題提議と対処を促すことは、とても重要な自衛手段なのかもしれません。

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/

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