花粉症とビタミンD
骨粗鬆症の予防や治療には適切な量の栄養素摂取が重要です。臨床の現場でも栄養指導は重要な位置を占めており、骨の強化のためには「カルシウムの摂取が重要」と認識されている方も多いと思います。しかし、それだけではありません。
体重
体重が軽い高齢者では骨量や筋肉量が低下するため、骨粗髭症性骨折が増加するといわれています。一方、肥満者では骨折のリスクや生活習慣病、がんなどの疾患が増えるといわれています。適切なエネルギー摂取を行い、適正体重を維持しましょう。
脂質
脂質の摂り過ぎは骨折のリスクを上昇させることが指摘されています。
タンパク質
骨はコラーゲン線維などの骨基質タンパクとリン酸カルシウム、マグネシウムなどのミネラルから成り立っており、コラーゲンの構成要素であるアミノ酸の供給源としてタンパク質が必要となります。
リン
リンはカルシウムとともにハイドロキシアパタイトを形成するため、過剰摂取によりカルシウムの吸収を阻害してしまいます。加工食品に含まれる食品添加物には注意が必要です。
「リン」についてはこちら
https://mbp-japan.com/kagoshima/aitokukai/column/5104169/
マグネシウム
マグネシウムはリン酸と結合し、リン酸マグネシウムとして骨に存在しカルシウムの吸収を助けています。また低マグネシウム血症は副甲状腺機能異常を起こし、骨粗鬆症と関連する可能性が指摘されています。
嗜好品
骨に悪影響を来すものとして喫煙、過度の飲酒、過度のカフェイン摂取が指摘されています。食欲を低下させたり、カルシウムやマグネシウムの排泄を促進したりさせることが原因といわれています。
生活習慣に注意して、骨粗鬆症を予防しましょう。
【骨粗鬆症治療の現状と展望2019】骨粗鬆症に対する栄養指導
田中 知香(藤田医科大学 医学部内分泌・代謝内科), 鈴木 敦詞
Progress in Medicine (0287-3648)39巻1号 Page25-28(2019.01)