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頭痛対策

上村徳郎

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テーマ:片頭痛

片頭痛

女性で悩まされる方の多い片頭痛ですが

マグネシウム
ビタミンB2
コエンザイムQ10

による論文報告があります。
マグネシウムが不足すると血液循環の異常をきたして頭痛を誘発するとされています。ビタミンB2ならびにコエンザイムQ10は、細胞のミトコンドリア内における電子伝達系にかかわる成分です。ATPの産生にもかかわっており、ミトコンドリア機能の安定が片頭痛予防に効果があるとされています。

【頭痛最前線-よりよき頭痛診療をめざして】片頭痛 頭痛治療における代替補完療法、非薬物療法
医学のあゆみ (0039-2359)243巻13号 Page1146-1150(2012.12)

とくに、マグネシウムには片頭痛の予防効果が報告されています。片頭痛の治療は発作時と間欠期(予防的)の治療に大別されるのですが、日常的に気を付けられるのは予防です。 マグネシウムには脳保護作用がある可能性が示されており、片頭痛の急性期にマグネシウムの静脈内注射で発作を改善させた報告もあります。片頭痛の発作に対するマグネシウムの予防的投与量は1日200~600mgです。

生活習慣病発症要因としてのマグネシウムの重要性
日本未病システム学会雑誌 (1347-5541)25巻2号 Page22-30(2019.08)

頭痛

日常生活で注意すべき頭痛で、治療が可能なものがあります。

鉄欠乏

日本人女性全体の約1割(600万人)、月経のある女性では約2割が「鉄欠乏性貧血」といわれています。貧血はないのに、このフェリチンが欠乏している「潜在的鉄欠乏」の方も非常に多いのですが、鉄欠乏性貧血の方はもちろん、潜在性鉄欠乏症の方も頭痛を生じる可能性があります。

一般臨床医が診るおもな貧血 潜在性鉄欠乏症の診断と治療
診断と治療 (0370-999X)107巻5号 Page569-571(2019.05)

睡眠時無呼吸性頭痛

睡眠時無呼吸患者では、一般の人びとに比べて朝方の頭痛が多いのことが特徴です。確定診断には終夜睡眠ポリグラフ検査が必要となります。

高血圧性頭痛

高血圧は頭痛の原因になりうるのですが、160~179/100~109mmHg程度までの高血圧では頭痛の要因とはならないと考えられています。褐色細胞腫による頭痛、高血圧性クリーゼによる頭痛、高血圧性脳症による頭痛などがありますので、血圧を測定する習慣をつけましょう。

甲状腺機能低下症による頭痛

甲状腺機能低下症患者の約30%に生じ、甲状腺ホルモン剤の投与により改善します。女性に多いのですが、片頭痛発作とは異なり両側性、非拍動性、持続性で悪心や嘔吐を伴わないとされています。

絶食による頭痛

絶食による頭痛は頭全体あるいは前頭部にみられる軽度から中等度の非拍動性頭痛です。
絶食時に出現しますが、食事摂取により72時間以内に消失するのが特徴です。絶食時間が長くなるにつれて頭痛が発症する確率が高くなりますが、低血糖がなくても起こります。

虚血性心疾患に関連して生じる頭痛

心臓性頭痛は認識されにくい頭痛なのですが、心疾患患者の27%では頭痛が唯一の症状であることがあり注意が必要です。頭痛は通常、労作後に生じます。

治療可能な頭痛があり、また食生活の改善が有効な頭痛があります。頭痛でお悩みの方はぜひご確認ください。

【頭痛最前線-よりよき頭痛診療をめざして】二次性頭痛の診断と治療 ホメオスターシスの障害による頭痛
医学のあゆみ (0039-2359)243巻13号 Page1225-1231(2012.12)

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上村徳郎
専門家

上村徳郎(内科・腎臓内科医)

医療法人愛徳会 上村内科クリニック

内科・腎臓内科の治療を専門にさまざまな病気の要因となる生活習慣病の予防にも力を入れています。生活習慣病に関わる食生活や栄養の見直しを予防の基本とし、食事法などをアドバイス。テレビ番組などの医療監修も。

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