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歯と栄養

上村徳郎

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歯の病気と栄養には関わりがあり、生活習慣に影響を受けています

歯周病の人は歯周病ではない人と比較してミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄)、ビタミン類(ビタミンA、E、K、B6、パントテン酸、葉酸)、食物繊維の摂取量が有意に少なく、食品群別では緑黄色野菜の摂取量が有意に少なかったという報告があります。

栄養素別

ビタミンC 摂取量や血清レベルと歯周病有病との間に負の関連

ビタミンD 血清25(OH)Dレベルと歯周炎や歯肉炎との間に関連

カルシウム 摂取量や血清レベルが低いと歯周病有病や進行のリスク

マグネシウム 葉酸 欠乏すると歯周病のリスクになる可能性

オメガ-3系脂肪酸やドコサヘキサエン酸 摂取で歯周病の進行を予防

骨や歯の形成に関わるマグネシウムについては、歯周病の有病状態と血清マグネシウムレベルを調べたところ有病状態が悪い人ほどするとMg/Ca比が低下(マグネシウムが少ない)していました。また、歯周病患者を対象に歯槽骨吸収あり群となし群に分けて血清中の脂肪酸レベルを比較したところ、歯槽骨吸収あり群ではn-6系脂肪酸が有意に高く、逆にn-3系脂肪酸が有意に低い値を示しており、両脂肪酸のバランスが歯槽骨吸収に関連していることが示唆されました。

日々の栄養は「歯」にも大きく影響しているのです。歯磨きに加えて、食事にも注意しましょう。

若年成人女性における食習慣と歯周病の関係(The Association between Dietary Habits and Periodontal Disease in Young Adult Women)
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (0301-4800)67巻1号 Page48-56(2021.02)

最近の歯周病と栄養素・食品に関するエビデンス(原著論文)
口腔衛生学会雑誌 (0023-2831)61巻1号 Page2-12(2011.01)

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上村徳郎
専門家

上村徳郎(内科・腎臓内科医)

医療法人愛徳会 上村内科クリニック

内科・腎臓内科の治療を専門にさまざまな病気の要因となる生活習慣病の予防にも力を入れています。生活習慣病に関わる食生活や栄養の見直しを予防の基本とし、食事法などをアドバイス。テレビ番組などの医療監修も。

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